FROZEN DAYS (Nippon Crown)
- 山下洋輔

  1. Prophase
  2. Double Helix
  3. Chiasma
  4. Interphase
  5. Mitocohondria

山下洋輔 (p)
坂田 明 (as)
森山威男 (ds)

1974/09/25,27,28

“フリー時代”の山下洋輔の秀作。
演奏は、たしかにエキサイティングではあるが、“爆発半歩手前の寸止め感”が終始漂うのが、このアルバムの特徴。

突撃と爆発を繰り返すライブ演奏とは違い、スタジオ録音ならではの抑制も効かせている山下洋輔トリオ。

色でいえば、白に近いグレー。
冬の曇り空とでもいうべき、どこか冷ややかで白けた空気感がアルバム全編に漂っている。だからタイトルのネーミングは、なかなか秀逸だと思う。

漂い続ける不穏な空気。なにかが起きそうな一触即発の一歩手前の空気感。

聴き手は予感されるクライマックスを期待してしまうが、各所で小爆発は認められるものの、ついぞ大規模な爆発は起きない。少なくとも、同じ山下トリオの『クレイ』や『キアズマ』で聴けるような規模の大爆発は認められない。

この、期待を半ば裏切られるようなムズムズした寸止め感をどう感じるかで、はっきりと好き嫌いの分かれるアルバムなのではないかと思う。

もちろん、私は、このえも言われぬムズムズ感もたまにはいいよなぁ、と思う派。
ただ、『クレイ』や『キアズマ』的なカタルシスが全くないのは、やっぱり、ちょっと寂しい気もする。ダイナミクスのレンジが狭いのだ。

灯油の匂いが漂う、湿気の多い木造家屋。コタツの中にはいって、みかんの皮を剥いたり、煎餅を頬張りながら聴きたくなるようなアルバムだ。こういう、ちょっとムズムズした雰囲気の山下のアルバムも1枚ぐらいあっても悪くない。
(2006/06/29) 

山下洋輔 | 森山威男 | Jazz Blog | Cafe Montmartre

←backward
homeJazz Albums

forward→


Copyright(c) Kumo Takano,
All Rights Reserved.