THE COMPLETE LESTER YOUNG ON KEYNOTE (Mercury) |
| - Lester Young |
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track 1-8
Lester Young Quartet: Lester Young (ts) Johny Guarinieri (p) Slam Stewart (b) Sid Catlett (ds) 1943/12/28 track 9-16 Kansas City Seven: Lester Young (ts) Back Clayton (tp) Dicky Wells (tb) Count Basie (p) Freddie Green (g) Rodney Richardson (b) Jo Jones (ds) 1944/03/22 |
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支流から源流を辿ってゆく。 たくさんの支流が、やがて一つの大きな流れにまとまるポイントの一つ。 レスター・ヤングまさにその一人だった。 せいぜいパーカーやチャーリー・クリスチャンどまりの私のジャズの守備範囲、つまり日常的に聴いているジャズは、いわゆるモダン・ジャズ以降に偏ってしまっているのだが、好奇心の触手を少しだけ過去へと伸ばしてみると、まず一番最初に出会い、モダンな表現に慣れた耳にもすんなりと受け入れられるプレイヤーがレスター・ヤングだ。 『プレス・アンド・テディ』という、彼が56年にヴァーヴに吹き込んだ、胸のワクワクするような快演が続く好盤もある。 この盤は例外としても、彼のプレイの好調期は、軍隊に入隊する以前のものに集中する。 というのも、過酷で人種差別のヒドかった軍隊生活は、ナイーヴな彼に精神的なダメージを与え、その結果、彼は麻薬に溺れ、肉体的にも障害をきたすことになり、除隊以降の彼のプレイには精彩さを欠くものが多くなってくるからだ。 こうした彼の履歴を顧みると、この盤こそがレスターの真髄を聴ける“最後”の傑作集ということになる。 なぜ“最後”なのかというと、軍隊に入隊する前の最後のレコーディングだからだ。 淀みなく、一定の速度で滑らかに心地よく流れてゆくレスター・ヤングのテナー。スムースに流れる旋律は、肩には力がまったく入っていないようだ。 軽やかで、柔らかで、暖かく、やわらかい音色。 そして、彼の円やかな語り口からは、ほのかに都会的で洒脱な感覚も。 ダテ男ならではの“粋”を感じる。 レスター・ヤングのテナーを聴いていると、「なんだ、サックス奏者はみんなレスターのように吹きたかったんだな」ということが実感として分かる。 スタン・ゲッツにポール・デスモンドのような円やかでスムースなスタイルのサックス奏者はもちろんのこと、ワーデル・グレイやデクスター・ゴードンのようなタイプのテナーまで。 もちろん音色やスタイルは違うが、彼を土台にして己のスタイルを築き上げていったのだろうということが、聴いていると実感として分かる。 チャーリー・パーカーが、レスターのレコードを持ってオザークの山中に山籠もりをして、日夜コピーに明け暮れたというのも有名なエピソードだ。 カウント・ベイシー楽団の看板スターだったレスター・ヤング。 この盤の後半では、ベイシーにフレディ・グリーンといった最強の面子によって奏でられる、魅惑的で、ウキウキするリズムセクションに乗って、闊達なプレイが繰り広げられている。 後半の曲群は、ベイシーファンにとってはたまらないテイクなのではないだろうか? ちなみに、これが録音された時期、彼はすでにカウント・ベイシーのバンドを退団しているが(4年前の1940年12月に退団)、その理由が「13日の金曜日にレコーディングするから」なのだそうだ。 レスターのテナーにスポットを当てて聴くなら前半のレスター・ヤング・カルテット、リズムの躍動感を楽しむなら後半のカンサス・シティ・セヴンの演奏というような聴き方の出来るこのCDは、一粒で二度おいしい内容だ。 ちなみに、前半では、レイジーでくつろいだ雰囲気がたまらない《サムタイムズ・アイム・ハッピー》、後半ではベイシーのピアノが張り切りぶりが尋常ではないほどゴキゲンな《レスター・リープス・アゲイン》がオススメだ。 |
| (2002/10/07) |
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