SOULVILLE (Verve) |
| - Ben Webster |
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Ben Webster (ts,p) Herb Ellis (g) Oscar Peterson (p) Ray Brown (b) Stan Levey (ds) 1957/10/15 |
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サックス、とくにテナーサックスに効果的な表現技術のひとつに、サブトーンというものがある。 サム・テイラー!という名前が浮かんだ人は正解。 そう、ススス……と、ちょっとかすれた、息の音が混じったムーディーなサックスの音色だ。 これに加えて音を震わせるビブラートが加わると、よりいっそう、音に表情が生まれ、限りなくクサい演奏にすることも可能だ。 私はサックス奏者ではないので、ブラバン出身のサックス奏者から聞いた話だと、サブトーンにもいろいろなかけかたがあるらしく、唇でコントロールをしたり、アゴを使う奏法や、ノドを使ったりと、いろいろと、顔の周りの器官の忙しい奏法なのだなと思った。 ただ、モダン期以降のサックス奏者は、それ以前よりも、深いビブラートを多用することが少なくなり(ノン・ビブラート)、ひとつは、ビ・バップ以降のアドリブのラインが音符が幾何学的に並び、音の跳躍が激しくなるなど、複雑怪奇になってきたために、また、ビブラートをかける余裕がなくなってきた、ということが考えられ、もうひとつは、ソフ トなノンビブラート奏法でコールマン・ホーキンスとは別の新たな流れを生み出したレスター・ヤングの影響を受けたサックス奏者が多くなってきたから、ということも考えられる。 私も、ビブラートを深めにかけた演奏は、嫌いではないが、そればかりだと焼き肉の食べすぎのような胸やけを起こすこともまた事実。 しかし、焼き肉もそうだが、オイシイものは、ついつい自分のキャパを超えて摂取してしまいがちだ。 そう、べン・ウェブスターなんかがまさにそう。 サム・テイラーは苦手だが(笑)、ベン・ウェブスターのサブトーンやビブラートは大好きだ。 キング・オブ・ビブラート、あるいはキング・オブ・サブトーンの1人にあげてもOKだろう。 なんといっても、アート・テイタムとのアート・テイタム〜ベン・ウェブスター・カルテットが至高の演奏だが、もう少し、庶民的というか親しみやすい内容の『ソウルヴィル』も最高だ。 前者のピアノがテイタム、後者がピーターソンという違いもあるのかもしれないが、親しみやすさ、聴きやすさ、自分の立ち位置とバッキングに対する考えが、両ピアニストは微妙に違っていて面白い。 テイタムに憧れたピーターソンだが、テイタムの影響を受けながらも、彼なりの独自のスタイルを築きあげたことが、聴き比べるとよく分かる。 もっとも、どちらのアルバムも、音がふるえるだけではなく、少しカスレたような、ハスキーな感じの音色が大人のオトコの色気ムンムンな、ベンのテナーはどちらも変わらず。 ただ、前者は「2大俳優・夢の共演映画」だとすると、後者は、主役は、あくまでベン・ウェブスターだ。 だからこそ、脇を固める演技に没頭したサイドマンたちのお陰で、ベンの影がくっきりと色濃くあらわれ、心行くまでベンのテナーを堪能できるのだ。 『ソウルヴィル』の場合は、《恋人よ我に帰れ》がいい。 ただし、酒飲みは昼間に聴くべからず。 おそらく、ウイスキーやブランデーが恋しくなるだろうから(笑)。 |
| (2009/02/17) |
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