FACE TO FACE (Blue Note) |
| - "Baby Face" Willette |
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"Baby Face" Willette (org) Fred Jackson (ts) Grant Green (g) Ben Dixon (ds) 1961/01/30 |
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ジャズ・オルガンの第一人者かつ大御所といえば、まずはジミー・スミスの名前が思い浮かぶが、ジミー・スミスという巨大な陰に隠れて、こんなにも個性豊かなオルガン奏者がいたのか!と「発見の喜び」を味わえるのが、ベイビー・フェイス・ウィレットだ。 名前からして、コテコテのブルースマンみたいだが(ちなみに本名は、ルーズヴェルト・ウィレットという)、コテコテなブルースマンを連想させる名前に負けず劣らず、彼のオルガンも、いい味を出している。 ジミー・スミスのオルガンが日本全国、どこでも通用する標準語だとすると、ウィレットのオルガンは、かなり訛りというかアクがある。 それもそのはず、彼の父は牧師、母は伝道師のピアノ弾き、伯父もピアニスト、2人の姉妹は聖歌隊の歌手という環境で彼は生まれ育っている。 教会生まれの教会育ちのウィレットは、家庭環境からして、日々ゴスペル濃度の高い空気を吸って育ってきたわけで、これが彼のオルガンプレイに自然と表出されるのは当然なことといえよう。 ブラックアメリカンの2大ルーツ音楽に「ブルース」と「ゴスペル」があるが、じつはこの2つは音楽的には似て非なるもの。 だから、「ブルースフィーリングあふれるゴスペルフィーリング」というような、2つのテイストがバランスよく共存することは滅多にない。たいていどちらかの要素が色濃く出てしまうものだ。 しかし、“ベイビー・フェイス”・ウィレットの場合は、この2つの要素が相矛盾なく溶け合っている。 これは、このアルバム『フェイス・トゥ・フェイス』で演奏される多くのナンバーがブルースであること、それに加えて彼のルーツどころか、細胞の一部にまでなっているゴスペルのフィーリングがこぼれ出ていることからだろう。 フィーリングと、、時として、砂糖菓子の甘ぁ〜く、というか大甘な瞬間もあり、ま、そこのところがリスナーの好き嫌いが分かれるところなのだろうが、このジワリと臓腑に染み込み、熱いものが体内に広がるような感じのオルガンは、まさに地酒の味わい。 さらに、タイトル曲の《フェイス・トゥ・フェイス》など、曲によってはグラントグリーンのギターや、ウィレットのオルガンも、ディストーションがかかったような音の割れがあり、この音質がクリアではないところも地酒っぷりに拍車をかけている。 マイルドで太いトーンを奏でるグラント・グリーンだが、このアルバムでは少々音色が違う。 小型のアンプをレコーディングのときには使用したらしく、そのせいか少々歪みのかかったトレブリーな音色だ。しかし、このひび割れた音が黒さに拍車をかけているようで、なんともいえぬ味わい。 この音色と質感は、リーダー作では味わえない魅力がある。グリーンのファンも要注目のアルバムといえるだろう。 ちなみに、ウィレットもグリーンも、ニューヨークに出てきた直後に、アルトサックスのルー・ドナルドソンに“発見”され、ブルーノートに紹介されている。 ソウル路線に移行中のベテラン、ルー・ドナルドソンを惹きつけ、納得させられるだけのフィーリングをウィレットもグリーンも持っていたのだろう。 このソウルコンビは、ブルーノートで幾度かの共演を重ねているが、やはりコテコテ度数が高いのはこの1枚になるだろう。 フレッド・ジャクソンの“やさぐれサックス”も快調。 特に《ゴーイン・ダウン》では、パーカッシヴな奏法をも織り交ぜ、テキサステナーばりのワイルドさを増幅させている。 ブルーノートから出た、ウィレット最初のリーダー作だが、ウィレットのみならず、各メンバーの「黒い個性」が良い按配で引き出された好盤だ。 オルガンジャズを愛好する音楽評論家のピーター・バラカン氏のお気に入り盤でも有名な『フェイス・トゥ・フェイス』だが、なんとアルト・サックス奏者のジョン・ゾーンもこのアルバムが好きなようだ。 |
| (2009/11/19) |
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