LEROY WALKS! (Contemporary) |
| - Leroy Vinnegar |
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Leroy Vineger (b) Gerald Wilson (tp) Teddy Edwards (ts) Victor Feldman (vib) Carl Perkins (p) Tony Bazley (ds) Track 1,4 1957/07/15 Track 3,5,5,6 1957/09/16 Track 2,7 1957/09/23 |
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リロイ・ヴィネガーは、ベーシストの鑑だ。 難しいことなどやっていないのに、彼のベースには気持ちの良い存在感がある。 しかも、共演者の足を引っ張ることなく。それどころか、むしろ相手の良いところを引っ張り出すのがうまいタイプのベーシストだ。 その秘密は、彼が繰り出す心地の良いリズムと、音色にあると思う。 ソニー・ロリンズの『コンテンポラリー・リーダーズ』というアルバムがある。 このアルバムの中に「ハウ・ハイ・ザ・ムーン」という曲がある。 ピアノとドラムがスタジオにやってくるのを待っている間に、ウォーミングアップとして、その場に居合わせたメンバーで演奏されたテイクだ。 ロリンズのレコーディング前の肩慣らしとしとして軽く演奏されたテイクだが、この演奏が大変素晴らしく、私は大好きなのだ。 ドラムとピアノがいないわけだから、編成はロリンズのテナーに、ギターのバーニー・ケッセル、そしてベースがリロイ・ヴィネガーという、ちょっと変則的なトリオ編成だ。 ここでのリロイ・ヴィネガーは大活躍。 リズムをグイグイと引っ張り、なおかつ演奏に暖かさをももたらしている。 この曲のベースを聴いて以来、私はリロイ・ヴィネガーというベーシストが好きになった。 太くて柔らかくて心地の良いベースの音色。 きっとリロイ・ヴィネガーの指は、太くて、柔らかくて、そして力強かったに違いない。 彼のベースの音色は暖かい。 そして、芯のある太いサウンドは、楽器のボディを満遍なく鳴らしきったときの心地よい音だ。 エレキベースの低音と、ウッドベースの低音の最大の違いは、空気感の違いだと思う。 “弦の音”ではなく、“胴の音”。 この“胴の音”は、演奏全体を包み込む独特な空気感と暖かさを持つが、リロイ・ヴィネガーの弾くベースは、まさにそれ。 すべての楽器の音を包み込んでしまうような暖かさを持つと同時に、彼には強靭でしなやかなグルーヴもある。 彼の安定した粘りのあるウォーキング・ベースは、常にたのもしく、きっと共演者は安心して彼にリズムを任せられたのだと思う。 ちょっと遅れ気味に、後ろにリズムを引っ張るようなノリが彼の持ち味。 この“遅れ気味なノリ”は、心地よいグルーヴを生み出すと同時に、ほのぼのとした親しみやすさをも演奏に加味する。 だから、ヴィネガーの安定したウォーキング・ベースは聴いていると安心するのだ。 その“ウォーキング”にスポットをあてて作られたアルバムが、『リロイ・ウォークス!』。 選曲も“ウォーキング=歩くこと”にひっかけたものばかりというのも面白い。 ベーシストがリーダーだからといって、いたずらにベースソロをフィーチャーしていることもない。 もちろん、多少ベースソロのスペースは多めに設けられてはいるものの、派手なアドリブはとっていない。 ひたすら、心地よいビートに乗って、心地よい演奏をしてもらい、リスナーにも心地よい気分になってもらおう。 こういうヴィネガーの考えが伝わってくるようなアレンジと演奏内容だ。 ただひたすらスイングすることに専念しているヴィネガー。 ただひたすら共演者をスイングさせることに専念しているヴィネガー。 この潔くも心地良い彼の姿勢が全篇に貫かれているアルバムだ。 リラックス、ほのぼの、楽しい。 そして、時々ハッとなる。 隠れた名盤だ。 |
| (2003/01/17) |
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