THE MAN (Time) |
| -Stanley Turrentine |
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Stanley Turrentine (ts) Sonny Clark (p) #2,4,5&7 Tommy Flanagan (p) 1,3&6 George Duvivier (b) Max Roach (ds) 1960/1月 |
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ブルーノートのスタンリー・タレンタインに耳が慣れすぎてしまったのだろうか? どうも、このアルバムのタレンタインは精彩さに欠ける。 いや、正確にはタレンタインが精彩さを欠いているのではない。全体のサウンドが精彩さを欠いていると言ったほうが適切だ。 彼の濃いコブシ、節回し。これらのエッセンスをブルーノートはギュッと濃縮して捉え、どのアルバムからも深いコクを出していたが、こちらの録音はなんとも薄っぺらなタレンタインが、カリッとしたトレブリーな線の細いテナーでむせびなく。 プレイ内容が悪いのではない。 録音の悪さと、プロデューサー、あるいはエンジニアの「こいつに、こういう音を出させたい!」という明確なコンセプトが無いことに起因しているのではないかと思う。 だいいち、エコーかけ過ぎですよ。 タレンタインの魅力は、太いトーンに、しゃくりあげるような語尾の“訛り”にあるはず。 それを過不足なく捉えることによって、はじめて、タレンタインならではの味わい、貫禄、コクを味わえるわけだ。 ところが、この過剰にエコーがかかった録音を聞くと、ものの見事に一番おいしいエッセンスを逃してしまっている。 エコーによって、ここまでタレンタインの魅力が失われるとは! 香り高いウイスキーにじゃぶじゃぶミネラルウォーターを注いで、「飲みやすいですよ〜」と言っているようなものだ。 それに、選曲。 もちろん、曲自体は悪くない。 しかし、どうにも、どの曲もノンベンダラリとジャムセッションの延長のような内容で、メリハリがない。どれもが同じような内容に聴こえるのは起伏の乏しい曲の並べ方に一因があるような気がしてならない。 多くのラーメン好きは、ラーメンは好きだけれども、伸びたラーメンは嫌いだと思う。それと一緒だ。 のびのびにのびたスタンリーをパッケージングしたこのアルバムは、まるで伸びて冷めたラーメンのよう。味はタレンタインそのものだが、熱さも腰もない。 くわえて、ピアノを始めとしたリズムセクションの音量が極端に低い録音バランスもいかがなものか。 この録音バランスは、タレンタインを歌手、リズムセクションを伴奏と完全に分け隔てて考えているのだろう。 テナーの音は単独でたっぷり味わえるかもしれないが、テナーとリズムセクションとの絡みの醍醐味を味わうには、ちょっとツラい音のバランスだ。 ピアノは、ソニー・クラーク(曲によってはトミー・フラナガン)。ベースがジョージ・デュヴィヴィエで、ドラムスがマックス・ローチ。 名手揃いなのにもかかわらず、彼らの良さを捉えられていない。 いや、よく聴けば、ローチの煽りっぷりや、趣味の良いトミフラのバッキング、曲によっては勢い溢れるソニー・クラークのピアノを楽しむことが出来るのだが、一回や二回聴いた程度では、そこまではなかなか気づくことが出来ない。 親しみやすいブルースの《レッツ・グルーヴ》や、テーマが面白い《マイルド・イズ・ザ・ムード》のように、魅力的な曲、演奏も多いにもかかわらず、硬派でタフなタレンタインのテナーや、躍動的なリズムセクションを堪能できないのは残念。 ブルーノートのルディ・ヴァンゲルダーによるリマスターが流行っているが、こちらのタイム盤も、どなたかリマスターをしてくれないものか。 エコーを外して、楽器の音量バランスを変えれば、演奏自体は良いのだから、グッとしまった素晴らしい内容になるに違いない。 余談だが、日本盤のライナーノーツ(瀧口譲司氏が執筆したもの)に誤植アリ。 パウエルがパオエルになっている。 最近興味あるのは、CDのライナーノーツって校閲や校正をかけているのだろうか? そんな予算取れない!ってことで、上がってきた原稿を、そのまま印刷してしまっているのだろうか? |
| (2007/10/03) |
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