MAMBO WITH TJADER (Fantasy)
- Cal Tjader

  1. Mamblues-Mambo
  2. Midnight Sun-Cha Cha Cha
  3. Sonny Boy-Mambo
  4. Cherry-Cha Cha Cha
  5. I'll Remember April-Bolero
  6. This Can't Be Love-Mambo
  7. Tenderly-Bolero
  8. Dearly Be Loved-Cha Cha Cha
  9. Chloe-Mambo
  10. Lucero-Mambo
  11. Bye Bye Blues-Mambo
  12. Autumn Leaves-Bolero

Cal Tjader (vibe)
Manuel Duran (p)
Carlos Duran (b)
Bayardo Velarde (timbales,bongos)
Edgard Rosales (congas)

1954年秋

気になるジャケットだったので、予備知識無しにジャケ買いをしたアルバムだ。
ジャケットのメガネの白人のスーツ姿の男は、コンガを叩きながら、ちょっと得意げな表情だ。
このジャケ写から、私は最初、カル・ジェイダーのことをパーカッショニストだと勘違いしていたが、もちろん彼はヴァイブ奏者。
彼は、ラテン・ジャズのヴィブラフォン奏者としては大御所的存在。と同時に、正当派のクールジャズ・ヴィブラフォン奏者でもある。

季節はどんどんと暑くなってくるが、そんな折には、このようなアルバムがとても相応しいと思う。
クールなヴィブラフォンの響きが、夏の暑さを軽減してくれることだろう。
涼しげで、賑やかで、愉しくゴキゲンで、ちょっとクールで、そして、とびっきりおしゃれで。
マンボやチャチャチャの素朴で土着的なリズムも、クールなジェイダーのヴァイブと綺麗に溶け合うと、なんともお洒落で、アダルトな気分が醸し出るのだ。

たたみかけるようなパーカッションのリズムの嵐、そして、高速テンポにのって繰り広げるゴキゲンなナンバー《マムブルース》、続いて、しっとりとムーディなメロディが極上な味わいのチャチャチャ、《ミッドナイト・サン》で、うーん、アダルトな気分。
少しだけチェット・ベイカー的な歌声のヴォーカルを楽しめる《ソニー・ボーイ》もインスト続きの曲の中では良いアクセントになっている。

気分は南国ムードとでもいうべき《四月の思い出》は、ある種、目からウロコ、いや、耳からウロコと言うべきか。《四月の思い出》という曲、こんなに南国テイストの似合う曲だとは思わなかった。
ホテルのバーのカウンターで、ちょっと強めのカクテルに酔いながら、綺麗な女性と会話を楽しみたい気分になってくる。

エキサイティングなピアノ・ソロが楽しい《ジス・キャント・ビー・ラヴ》。
どんなにピアノが熱くなっても、漂う雰囲気はどこか涼しげで気持ちよい。

しっとりテンポから、一気に高速テンポにチェンジする《テンダリー》はスリル満点。この演奏も耳からウロコだ。しっとりした演奏ばかり聴いていた耳には、ノリの良い《テンダリー》はかなりスリリングで新鮮。

硬質で涼しげなヴィブラフォンの音色と、ピアノの和音がおいしい具合に溶けこんでいる《ディアリー・ビラヴド》も気持ちの良い演奏だ。

…などなど、個人的には大好きな曲を駆け足で紹介してきたが、本当にこのアルバムは、気持ちの良いサウンドのオンパレード。
そして、一人でじっくりと聴くのが馬鹿馬鹿しくなってくるほど楽しいアルバムなのだ。
少なくとも、深夜に一人、パソコンのキーを叩きながらジーッと聴く類いの音楽ではないことは確かだ(って、それは私)。
賑わっている店のBGMや、寛いだ雰囲気のパーティに流れる音楽が似つかわしい。 カクテル・ラウンジ・ミュージックとでも言うべきか。

しかし、贅沢を言わせてもらうと、全編にわたって満遍なく素晴らしいこのアルバムにも唯一足りないものがある。
それは人の話し声や笑い声、食器と食器のぶつかり合う音、あるいは、グラスとグラスのぶつかり合う音。
そう、パーティ特有の喧噪だ。
このアルバムのサウンドには、パーティの喧噪こそが相応しいと思う。
まぁ、これらの音は自分たちで演出するしかないわけだけど。

パーティ用、来客用のBGMとして、是非とも常備をしておきたいアルバムの1枚だ。

(2002/07/10) 

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