IN ORBIT (Riverside) |
| - Clark Terry |
|
|
Clark Terry (flh) Thelonious Monk (p) Sam Jones (b) Philly Joe Jones (ds) 1958/05/07 & 12 |
|
|
|
リーダーのクラーク・テリーよりも、セロニアス・モンクがサイドマンを務めているという興味で購入したアルバムだ。 しかし、モンク聴きたさで買ったものの、むしろクラーク・テリーのどこまでもスムースなフリューゲル・ホーンのプレイの虜になった。 サイドマンに回ったモンクは、抑えるところは抑え、出るところは出、さらにさりげない自己主張も忘れないという、非常にバランスの良い演奏に徹している。 したがって、モンク独特の“異物感”や“危なっかしさ”をほとんど感じることなく、クラーク・テリーのプレイが耳にすんなりと入ってくる内容となっているのが本アルバムだ。 ソフトで品の良いフリューゲル・ホーンをプレイしているテリー。 全編にわたり、澱みなく流れ行くクラーク・テリーの流麗なフレージングは、とても気持ちが良い。そして、まったく破綻がない。 しかし、破綻が無いからといって、無難なだけな演奏なのかというと、全くそんなことはない。 モンクのフィーリングに刺激されてか、時折、斬新なフレージングも垣間見せるクラーク・テリー。 そして、演奏全体の音色のブレンド加減の妙。弾力のあるサム・ジョーンズの太いベース、暖かで円やかなクラーク・テリーのフリューゲルホーン、モンクの鋭角的なピアノ、的確に煽るフィリー・ジョーのドラミングとスネアのオカズ。 これらの音色が非常に綺麗に一つの“サウンド”として収斂しているのだ。 ぼーっとしているとBGMで終わってしまいそうなほどの心地よいサウンド加減だが、インパクトのある音色や奇を衒ったフレーズを出さなくとも、こちらの耳を、きちんとスピーカーに引き付けっぱなしにさせてしまうのは、ひとえに“普通に強い”クラーク・テリーの力量に他ならないと思う。 私は、一曲目のタイトル曲が好きだ。 溌剌としたクラークのプレイ。 そして、モンクのピアノソロが絶品。 「ああ、やっぱりモンクだよなぁ」と、聴くたびにいつも一人でニヤついてしまうのだ。 他にもモンクの曲は、《レッツ・クール・ワン》が演奏されているが、この曲の持つしみじみさ加減と、クラーク・テリーのプレイがピッタリとマッチしている。 《ピー・アイ》。 この曲をクラーク・テリーとバド・パウエルが共演している映像を見たことがある。 ソロを終えた後のクラーク・テリーのスマイルが、個人的には非常に好感を持てたので、この演奏の映像が今でも印象深く記憶に残っている。 クラーク・テリー作曲のこの曲は、明るく小気味良く疾走するメロディが心地よい。 ライトでウォームな曲想は、まるでクラーク・テリーの笑顔そのままな感じがする。 そう、クラーク・テリーの笑顔は素敵だ。爽やかで愛嬌がある。 そういえば、彼のフリューゲルの音色や、流れるようなプレイも、屈託の無い、まるで子供のような朗らかな笑顔が、そのまま音になっただけではないか。 |
| (2002/03/29) |
|
|
|
|
All Rights Reserved. |