DISAPPOINTMENT-HATERUMA (ALM Records) |
| - 土取利行+坂本龍一 |
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坂本龍一 (p,voice) 土取利行 (per) 1975年8月,9月 |
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現ピーター・ブルック・カンパニーの音楽監督として世界的に活躍する土取利行と、もはや説明不要な輝かしいキャリアの持ち主・坂本龍一によるデュオ作品。 名前の浸透度からしてみると、やはり土取利行よりは、世界の教授(坂本龍一)のほうが、有名だからという判断なのだろう、当時500枚しかプレスされなかったこの音源が復刻された際も、「坂本龍一の幻の音源」という枕がついていたし、実際、復刻されたCDのライナーのインタビューに応じているのも坂本龍一だ。 だから、坂本龍一のアルバムのように捉えられがちかもしれないが、実質的には、これは土取のアルバムというべきだろう。 沖縄返還前の日本最南端の島、波照間(はてるま)島と、赤道を軸に、ちょうど緯度において正反対の場所にあるオーストラリアのディスアポイントメイト・レイク。 この奇妙な位置関係を見つけ、タイトルをつけたのも土取だそうだし、ラストの演奏を除けば、どちらかというと演奏のイニシアチブは土取のパーカッションが握っている。 とはいえ、教授のピアノも、素晴らしい。 過去のいくつかのインタビューを紐解くと、彼は阿部薫ともフリージャズをやっていたこともあるそうで、なるほど、“そっち方面”のテイストなのかなと、想像をめぐらせていたら、やっぱり“そっち方面”な演奏。 したがって、最近の“癒しの坂本”や“ゆるみ系の坂本”を愛好する諸兄には、まったく受けつけない内容なんだろうね。 かなり硬派なフリージャズだ。 特に1曲目は。 阿部や高柳らが活躍していた、まさに“あの時代”の暴力的な音…、いや、音の暴力、かな? 猛る教授。狂う教授。 だが、音の隙間からは絶妙に知性が滲み出ている。 この「暴力・知性」のせめぎあいは、 後に吹き込まれた超名盤かつ彼の最高傑作『B−2unit』に通じるものがある。 もちろん、サウンドはまったく違うのだが。 難点を言えば、 1曲目の《綾》は、 録音のバランスが悪い。 ピアノの音がかなり奥に引っ込んでいて、パーカッションの音が大きすぎる。もう少し大きな音で、教授の山下洋輔ばりのピアノを味わいたかった。 アルバム後半は現代音楽的ともミニマムミュージックともいえそうな、実験的音楽。 とくに、マリンバやスチールドラムを使った《a/φ(musique differencielle 1°)》の退廃的な心地よさといったら…。 ポコポコポコポコ… シャキン、シャキン… なパーカッションが、もうなんとも…。 一日中かけ続けていても飽きなさそう。 ライナーのインタビューで教授は、「ボク、今でもジャズには否定的です」と語ってはいるが、猛り狂う《綾》のピアノの中には、和風フリージャズ的とでもいうべき匂いを強烈に感じたので、あえて、ジャズのアルバムとして取り上げてみた。 |
| (2005/09/26) |
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