NIGHT DREAMER (Blue Note) |
| - Wayne Shorter |
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Wayne Shorter (ts) Lee Morgan (tp) McCoy Tyner (p) Reginald Workman (b) Elvin Jones (ds) 1964/04/29 |
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キャリアの極初期の段階においてのウェイン・ショーターは、先輩・コルトレーンの影響を色濃く受けていたことは想像に難くないし、実際、この『ナイト・ドリーマー』を聴くと、コルトレーン的なプレイが見え隠れする箇所がいくつもある。 リズム陣が、エルヴィン・ジョーンズ (ds)、マッコイ・タイナー(p)。 当時のコルトレーン・カルテットのメンバーとかぶるので、サウンド的には、一瞬コルトレーンカルテットのサウンドを感じさせる箇所もある。 しかし、よく聴くと、やはりショーターとコルトレーンは、資質からして全く違うタイプのサックス奏者なのだなということに気が付くだろう。 バックのリズム隊が同じ陣容ということから、逆にフロントの個性の差がより一層くっきりと浮き彫りになるのだ。 では、コルトレーンとショーターの違いとは? 大雑把に言ってしまえば、「歌い方の違い」なのだと思う。 コード、スケールを徹底的に細分化、再構築、再構成し、正面から、後ろから、横から、斜めから、それでも飽きたらず(言い足らず)に、斜め後ろから、左横斜めからと、様々なアプローチを演奏しながら試行錯誤するのがコルトレーン。 当然、音数は多くなるし、演奏時間も長くなる。 一方、ショーターはというと、音数はコルトレーンと比べると少ない。 そして、彼の「歌い方」は、コルトレーンに比べると随分とメロディックだ。 メロディが、流れるように朗々と出てくる。 しかし、そのメロディの多くは、聴き手の予想に反した「意外な」旋律なことが多い。 しかし、不思議と音楽にピッタリとはまる。 この『ナイト・ドリーマー』は、当時のコルトレーン・カルテットと同様に、モード奏法を取り入れているが、ショーターの場合は、楽理に基づく奏法云々よりも、どちらかというと「気分」と「雰囲気」を最優先させているように感じる。 絵画にたとえてみよう。 コルトレーンと、ショーターという二人の画家がいるとする。 二人は、同じ「山」を題材に絵を描くとする。 コルトレーン画伯は、山の細部までを徹底的に描きこむことにより、リアルで写実的な山を表現する。 そこには、訓練の賜物とでも言うべき、様々な高度な技法が駆使されている。 ところが、ショーターの場合は、まずは、山そのものよりも、山の周囲の空気を描き出そうとする。 近くで見ると微妙に遠近感がおかしかったり、細部がディフォルメが施されたりもしているので、妙な違和感を感じるかもしれない。 しかし、少し遠くから絵を眺めると、見事に山と山の空気感が一種独特の雰囲気によって再現されている。 コルトレーンとショーターは、対象を表現するための発想がそもそも違うのだ。 もちろん、どちらの表現手法や発想が良いとか悪いとかという問題ではない。 結果的に、同じ道具(=テナーサックス)を用いて、同じ「山」を表現するにしても、発想の違いから、まったく違う表現が生み出されるところが興味深いし、この「差異」を聴き取り、楽しむことこそジャズ鑑賞の楽しみの一つなのだ。 3拍子のタイトル曲、《ナイト・ドリーマー》。 この親しみやすいメロディとリラックスした雰囲気、そして山場を適切に盛り上げるエルヴィンのドラミングが素晴らしい。 イントロのマッコイのピアノも「夢前案内人」のサポートを確実に果たしている。 このイントロを聴いて「いよいよ始まるぞ」とワクワクした気分になるのは私だけだろうか? ショーターならではの取りとめもない不思議なメロディ感覚が発揮された《ブラック・ナイル》も良い。 アルバムの中では比較的エキサイティングな演奏だ。 さて、このアルバムのもう一人のホーン奏者リー・モーガンについても少し書いてみたい。 時として、リー・モーガンは、共演のサックス奏者を喰ってしまうほど、華麗なプレイと、絶妙な「歌い方」をするトランペッターだ。 特に、モブレー、コルトレーンとのセッションにおいては、サックスよりも目立ってしまうことも多い。 では、このアルバムでのリー・モーガンはどうか。 不思議なことに(?)ショーターのサックスの邪魔していないどころか、とても効果的にショーターのことを引き立てている。 ショーター独特の、鈍くくすんだ重量感のあるサックスの色彩が、モーガンによる、きらびやかな金色の色彩が添えられることによって、より一層鮮やかに引き立っている感じがする。 ここでのモーガンのプレイは、決して手を抜いているわけでもないし、畏まっているわけでもない。 多少の抑制を効かせているのかもしれないが、いずれにしてもモーガンのプレイは、ソロで自己を主張するというよりも、音楽・曲という枠の中に溶け込み、トータルな意味でのサウンド作りに貢献しているように感じられる。 いつもなら、サックス奏者よりも、リー・モーガンのプレイに耳を吸い寄せられてしまう私だが、このアルバムに限って言えば、不思議なぐらいモーガンのラッパが聴こえずに、ショーターのテナーばかりが耳に残っているアルバムだ。 それだけ、ショーターの存在感が抜きん出ていることの証かもしれないし、ショーターのサウンドコンセプトを理解し、自らの役割をわきまえたモーガンの陰ながらのサポートが効いているのかもしれない。 「ショーターサウンド」を見事に演じた「助演男優賞」もののラッパといえるだろう。 |
| (2009/03/08) |
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比較的あっさりと聴けるショーターの好盤。 ハードバップの香りを残しつつも、新しい響きと試みに満ち溢れている作品でもある。 ショーターがマイルス・コンボに入る数ヶ月前の録音だ。
リズム陣が、エルヴィン、マッコイと、当時のコルトレーン・カルテットのメンバーとかぶるので、サウンド的には、一瞬コルトレーンカルテットのサウンドを感じる箇所もある。
しかし、よく聴くと、やっぱりショーターとコルトレーンは、資質からして全然違うタイプのサックス奏者なのだなということにも気が付くだろう。
コルトレーンとショーターの違い。
コード、スケールを徹底的に細分化、再構築、再構成して、正面から、後ろから、横から、斜めから、それでも飽きたらず(言い足らず)に、斜め後ろから、左横斜めからと、様々なアプローチを演奏しながら試行錯誤するコルトレーン。
一方、ショーターはというと、音数はコルトレーンと比べると格段に少ない(当然か)。 この『ナイト・ドリーマー』は、当時のコルトレーン・カルテットと同様に、モード奏法を取り入れているが、ショーターの場合は、楽理に基づく奏法云々よりも、どちらかというと「気分」と「雰囲気」を最優先させているように感じる。
3拍子のタイトル曲。この親しみやすいメロディとリラックスした雰囲気、そして山場を適切に盛り上げるエルヴィンのドラミングが素晴らしい。
さて、このアルバムのもう一人のホーン奏者リー・モーガンについても少し書いてみたい。
では、このアルバムでのリー・モーガンはどうか。 |
| (2002/05/07) |
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