A NEW SOUND-A NEW STAR JIMMY SMITH AT THE ORGAN vol.1 (Blue Note) |
| - Jimmy Smith |
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Jimmy Smith (org) Thornel Schwartz (g) Bay Perry,Donald Bailey (ds) 1956/02/13 & 18 |
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ジェームズ・オスカー・スミスことジミー・スミスの初リーダー作。 ジミー・スミスといえば、ジャズの入門書などにはヴァーヴの『ザ・キャット』が代表作として挙げられていることが多いが、私の場合、ジミー・スミスを聴こうと思ったら、まずは、ブルーノートの初期のリーダー作群に手が伸びる。 なぜか『ザ・キャット』のほうにはあまり手が伸びない。もちろん、たまに聴くと素晴らしい内容なのだが……。 たしかに『ザ・キャット』は、、豪華なオーケストラをバックに、スケールの大きなサウンドに仕上がってはいるし、ジミー・スミスのオルガンを引き立てるようなアレンジがなされていて、楽しい内容になっていることには違いはない。 しかし、彼のオルガン“だけ”に焦点を当てて、彼のオルガン“だけ”を浴びるように楽しみたい私にとっては、豪華なアレンジも、バックで「ジャン!」と鳴るオーケストラル・ヒットも余計なものに感じてしまうのだ。 ジミー・スミスのバイタリティ溢れるオルガンは、余分な装飾を排し、ただひたすら次から次へと勢いよく湧き出るオルガンの音を浴びるように聴くのが、私にとっては気持ちが良い。 そう考えると彼の初リーダー作、『ア・ニュー・サウンド・ア・ニュー・スター』がまさにうってつけの作品だ。 まるでオルガンのシャワーを浴びているよう。 何も考えずに、ひたすら繰り出されるオルガンのフレーズに身を委ねる心地良さといったらない。 オルガンは、同じ鍵盤楽器のピアノとは大きな違いがある。 ピアノの場合は、アタックの瞬間からすぐに音の減衰が始まる。しかし、オルガンの場合は、「ショワァ〜」と、長い持続音を出せることが大きな特徴で、この「ショワァ〜」がとても気持ち良いのだ。 また、ピアノに比べると鍵盤が軽いため「グキャ・クキャ」と鍵盤をこねくり回すようなフレーズも容易に出せる。ジミー・スミスが繰り出す「グキャ・クキャ」も、心地良さの一要素だ。 このオルガンならではの奏法に加えて、ジミー・スミスの初リーダー作からは、バップの香りが濃厚に漂っていることも私が愛聴している理由の一つだ。 彼は最初はピアニストだった。 オルガンに転向したのは28歳の頃だそうで、ピアニストだったころはバド・パウエルにも師事していたことがあるという。 ビ・バップの全盛期には、エルモ・ホープやセシル・テイラーと組んで52丁目のクラブを荒らし回っていたというし、和声と理論を2年間習いに通っていた音楽学校では、クリフォード・ブラウンが同級生だったという。 これだけの逸話からも、彼のスタート地点はビ・バップだったということが容易に推察出来る。 ピアノからオルガンに転向したのは、ワイルド・デイヴィスのオルガンを聴いたことがキッカケ。以来2年間の猛練習を重ね、デビューを飾った最初の吹き込みが、このアルバムになったというわけだ。 ピアニスト時代に身につけたバップのイディオムを、オルガンを用いて思う存分表現した瑞々しく勢いのある本作は、録音から数十年の年月を経た今聴いても、充分に新鮮でワクワクした気分にさせてくれる。 ソーネル・シュワルツのギターの好サポートを得て、圧倒的な勢いで弾きまくる彼のオルガンは、いつ聴いても楽しい。 《ザ・ウェイ・ユー・ルック・トゥナイト》、《レディ・ビー・グッド》 、《バット・ノット・フォー・ミー》 、《テンダリー》などといったスタンダード・ナンバーや、ホレス・シルバーの《ザ・プリーチャー》といった有名曲の料理っぷりは、既にスミス流で堂に入っている。 また、自作のブルース《ユー・ゲット・チャ》は、オルガン・ブルースのお手本のような演奏。 個人的には、《ミッドナイト・サン》という曲が好きなこともあって、この曲の演奏がお気に入りだ。 カル・ジェイダーの《ミッドナイト・サン》の演奏も大好きな私は、この妖しくレイジーな曲自体が好きなこともあるが、ジミー・スミスのオルガンとソーネル・シュワルツの「絡み」が色っぽいテーマの部分が大好きだ。 テーマ直後のギターソロも秀逸。ギターソロのバックで、「ショワァ〜」と気持ちの良いバッキングを繰り返すスミスのオルガンも最高だ。 ジミー・スミスの初リーダー作にして、ジミー・スミス入門者にもまずは真っ先にオススメしたい入門盤が『ア・ニュー・サウンド・ア・ニュー・スター・ジミー・スミス・アット・ジ・オーガン vol.1』なのだ。 |
| (2002/07/29) (加筆修正 2010/12/06) |
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