LIFE IS LIKE THAT (P-Vine) |
| - Memphis Slim |
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Memphis Slim (p,vo) Alex Atkins (as) Ernest Cotton (ts) Willie Dixon (b) Betty Overton (b) 1947-1949年 |
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ブギウギ・ピアノの名手、メンフィス・スリム。 要所要所で、鍵盤をこねくりまわすかのようなフレーズと、アタックの強い連打で心地よいアクセントを入れるスリムのピアノは、一言、いかにもなブルースピアノの典型だが、、フレーズのコテコテさとは裏腹に、音の粘り気は淡白。 よって、数曲でお腹いっぱり!ゲップが出る!ということは、まずない。 そして、もちろん歌もうまい。 比較的あっさりとした歌唱の中には、人生のペーソスがいっぱい詰まっている。 とくに、高音部にちょっと音程がフラットして声が一瞬裏返る瞬間は、嗚呼、これぞブルース!とため息が出るほど、素晴らしいブルース的節回し。 くわえて、太くて甘い声は、時代が時代ならソウルミュージックの大御所になっていたんじゃないかと思うほどの魅惑的なヴォイスの持ち主だ。 ドラムはなし。 太いベースがゆっくりとベースを刻み、2本のサックスが、メンフィス・スリムのピアノとヴォーカルに特上のデミグラソースをかける。 濃度、味加減、コテコテさ具合は丁度良い塩梅。 極上の演奏が出来上がる。 供の酒は、バーボンがいい。 それも、ハーパーのような口当たりよく甘めなお坊ちゃまなバーボンではなく、オールドクロウのように喉を焦がすようなキツめのものが良い。 カーッと臓腑を熱く焦がし、まろやかでリッチなテイストのスリムの歌とサウンドに耳を傾けよう。 染みます。 ♪毎日ブルーなオレ、誰もオレのことを愛してない いやはや、ベタに悩んでますね。 ♪人生はそんなもの うん、そんなもんかもしれないね。 《ミステイク・イン・ライフ》? そのわりには、サウンドは随分とゴキゲンじゃないか。 歌っている内容も、それに乗っかる太くてコクのあるサウンドもいちいちゴモットモな説得力がある。 シンプルで骨太。それを言われちゃ頷かざるをえないでしょってアンバイだ。静かに「分かる、分かる」と頷きながら、黙って酒をくらいましょう。 オシャレだけど、なんだかマッタリと濃くて、ヘヴィなくせに口当たりが良い。それが、メンフィス・スリムのブルースだ。 このメンフィス・スリムの『ライフ・イズ・ライク・ザット』は、学生時代に買って、一時期取り付かれたかのように聴きまくっていた時期がある。 最初に虜になったのは、なんといっても、《ペースメーカー・ブギ》のベース。 まるで、地の底から這い上がってくるような、太くてごっついベース音。 そして、演奏前半のベースをフィーチャーしたコーナーでは、《アルプス一万尺》を奏でるお茶目さ。 これに相槌を打つスリムのピアノが次第にノッてきて、次第に演奏が白熱してゆくさまは、まさに圧巻。 ヴォーカル抜きのナンバーだが、インストジャズを中心に聴いていた人はこの曲からメンフィス・スリムの世界に入門すると良いのではなかろうか。 もちろん、彼の歌入りのナンバーも良い。インストの《ペースメーカー・ブギ》で一気に虜になった私だが、すぐに彼の歌唱にも引き込まれた。 ベタだけども、日本の演歌や歌謡曲には求め得ない洒落心がそこにはあったからだ。特に流行りの歌にありがちな“カッコつけしいウソくささ”が皆無で、呆れるほどストレートでピュアな世界がそこにあると感じた。 その感触はいまでも同じ。 シンプルだけれども大切なことを、この穏やかで太く逞しいサウンドと歌が教えてくれる。決して押し付けがましくも、カッコつけもなしで。 だから、アルコールとともに心地よく五臓六腑に染みてくるのだ。 で、もう1杯、あと2杯とばかりに酒が進む。 ライフ・イズ・ライク・ザット。 ま、人生そんなもんやね。 ※ちなみに、このアルバムの購入を考えている方は、レコード店のジャズコーナーではなく、ブルースコーナーを探してみてください。 |
| (2007/10/10) |
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