DAMN! (Verve) |
| - Jimmy Smith |
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Jimmy Smith (org) Roy Hargrove (tp) #1,3,5,6,7 Nicholas Payton (tp) #1,3,5,7,8 Abraham Burton (as) #2,9 Ron Blake (ts) #4,5,9 Mark Turner (ts) #4,6,7 Tim Warfield (ts) #2,4,5,9 Mark Whitfield (g) Christian McBride (b) Bernard Purdie (ds) #1,5 Arthur Taylor (ds) #2,3,4,6,7,8,9 1995/01/24&25 |
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ジミー・スミスが1995年にニューヨークのパワーステーションでレコーディングをした本作『ダム!』は、ジェームス・ブラウンのゴキゲンなナンバー《パパ・ゴット・ア・ブランド・ニュー・バッグ》で始まる。 いきなりファンキーなノリ全開の演奏で、グッと耳を引きつけられるが、次曲はホレス・シルヴァー作曲の、これまたファンキー名曲の3本指にはいる《シスター・セディ》と容赦ないファンキー攻撃。 さらに、ハービー・ハンコックの《ウォーター・メロンマン》に、ボビー・ティモンズの《ジス・ヒア》、ランディ・ウェストンの《ハイ・フライ》……。 よくぞまぁ、これだけキャッチーでファンキーなヒットナンバーを集めてくれましたと言わんばかりの選曲だ。 もうこれはジャズ好きのみならず、むしろソウル、R&B、ファンク好きが垂涎の内容なのではないか? ジミー・スミスのオルガンプレイは言うまでもなく、全編に渡って柔軟なリズムを刻むマーク・ホイットフィールドのリズムギターに、手堅い音圧で底辺を支えるクリスチャン・マクブライドのベースワークと、一貫して安定したグルーヴを提供しつづけるリズム隊のサポートも素晴らしい。 ホーン時は、まるで、彼の過去の代表作『ザ・キャット』を彷彿とさせる華麗さ。 トランペットにニコラス・ペイトンとロイ・ハーグローブ、サックスにはロン・ブレイク、マーク・ターナーなどのベテラン陣を配し、ゴージャスで勢いのある演奏が展開される。 しかし、苛烈にグルーヴしまくり、コテコテに超真っ黒な演奏なのかというと、じつはそうでもなく、演奏のボルテージをほんの少しアッサリ目に調整されているように感じることも確か。 これはおそらく、あまりにコテコテ&ファンキー過ぎると、選曲が選曲ゆえ、リスナーが数曲でお腹いっぱいになってしまうことを配慮しているのではないか? 私の場合は、ノリノリな演奏が続くにもかかわらず、このアルバムを1枚、まるごとぶっ通しで聴いてもまったく疲れないのだ。昨日は4回も通し聴きをしたが、心地よい疲労感を感じるものの、グッタリした疲れはまったく感じなかった。 そのへんのファンキー温度の湯加減は、さすがに引き際をも心得た大人な演奏なのかもしれない。 冒頭では、ファンキーナンバーばかりを紹介したが、それ以外にも《ウディン・ユー》や、《スクラップル・フロム・ジ・アップル》のようなバップナンバーも演奏されている。 もちろん、演奏姿勢は、ファンキーナンバーと変わることなく「ファンキー! ファンキー!」の一言に尽きることは言うまでもない。 特に私は、《スクラップル・フロム・ジ・アップル》のテーマのサビのオルガンが好きだ。 このバップナンバーは、テーマのサビの8小節は、管楽器やピアノなど、スポットを当てたい楽器がアドリブを展開する「見せ場」として機能する箇所でもある。 だから、リスナーとしては、「この8小節、(大人数編成の場合は)誰がソロを取るのだろう?」という興味と、「この8小節にどんな自己主張が込められるのだろう?」という期待感がある。 演奏者もこの8小節のスペースを使い、せいいっぱいの自己アピールをすることが多い。 では、ジミー・スミスはこの8小節のスペースをどう利用したのかというと……。 ♪びゃぁ〜、びゃぁ〜! とコードの和音を押さえっぱなしの地味なアプローチなのだ。 しかし、これは手抜きではないと思う。 その前後が管楽器のアンサンブルでサウンドのボルテージが高いゆえ、流れにメリハリをつけるために、あえてハイテンションの中に“窪み”を設けたのではないか? この8小節をあえて低空飛行なアプローチをすることで、逆にオルガンの存在を効果的に主張しているのだ。 なにがなんでもシャカリキになる必要はないんだよ、と彼の余裕たっぷりの笑顔が浮かんできそうな、さり気なくも心憎いアプローチだと思う。 このような、ジミー・スミス、大人の余裕たっぷりのファンキーアルバムが『ダム!』なのだ。 イヤなことがあったとき、疲れたときにこれをかければ、軽やかに心のモードチェンジが可能なはず。 |
| (2009/06/08) |
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