BUD SHANK-SHORTY ROGERS-BILL PERKINS (Pacific Jazz)
-Bud Shank

  1. Shank's Pranks
  2. Casa De Luz
  3. Lotus Bud
  4. Left Bank
  5. Jasmine
  6. Just A Few
  7. Paradise
  8. Fluted Columns
  9. I Hear Music
  10. Royal Garden Blues
  11. A Sinner Kissed An Angel
  12. It Had Be To You

#1-6
Bud Shank (as,ts,bs,a-fl)
Shorty Rogers (flh)
Jimmy Rowles (p)
Harry Babasin (b)
Roy Harte (ds)

1954/3月


#7-12
Bud Shank (as,ts,bs,a-fl)
Bill Perkins (as,ts,fl)
Hampton Hawes (p)
Red Mitchell (b)
Mel Lewis (ds)

1955/05/02

邦題『昼と夜のバド・シャンク』。
このアルバムのバド・シャンクの演奏は、聴くたびにシゴトの重圧から解放してくれる。

軽やかな疾走感。
軽やかなんだけれども、単に軽やかなだけではない。
力強く軽いのだ。

空間を上滑りすることなく、きちんと一歩一歩地に足のついた堅実なフットワークながらも、どの演奏もスピード感が失われず、だらりと弛緩しきった気持ちに、快い刺激を与えてくれるのだ。

そして、根っからの陽性だということ。

日本盤のライナーを読むと、彼はリー・コニッツのプレイスタイルを意識しているというが、彼の本質は明らかにコニッツとは違う。

違うからこそ、異なるタイプのプレイヤーに魅了されるのかもしれないが、コニッツ的な禁欲さはバド・シャンクには感じられない。

もちろん、この言葉を意識して聴けば、フレージングにはコニッツ的な要素が感じられないわけではないが、シャンクの持つ音そのものの佇まいは、どこまでも「陽」の暖かさに満ちている。

それは、アルトもテナーもフルートも同様で、力強さと滑らかさがバランスよく共存した破綻の無い勢いと躍動感に満ちているのだ。

このアルバムは、1954年3月の演奏と、1955年5月の演奏の2部構成になっている。
タイトル通り、「昼」と「夜」という分類だ。

昼はショーティ・ロジャースとのクインテット。
夜はビル・パーキンスとのクインテットによる共演。

ジャケットもご丁寧に、表は昼の街、裏は同じ景色の夜景になっており、楽しい。

何気ないシンプルなジャケットだが、このちょっとしたセンスと、何気にバランスの良いタイポグラフィに惹かれる。

曲により、アルト、テナー、フルートと使い分けるパーキンスとの滑らかなアンサンブルが心地よい。

ウエストコースト・ジャズは「軽快」というイメージを抱かれることが多いし、たしかにこのアルバムの演奏も、期待を裏切らない軽快さがある。

しかし、よく聴くと、バド・シャンクのアルトには適度な重量感もあり、単に「軽い」だけでは済まない力がある。

東側のリズムセクション(チェンバースやテイラーなど)をバックにつけて録音したら、それこそブルーノートの作品の中の一枚と多くの人が間違うんじゃないかと思うほど。

そこがバド・シャンクの魅力で、特にこのアルバムは、彼のスピード感と適度な重量感がバランス良く演奏に反映された作品なのだ。
最高傑作との呼び声も高いのも頷ける。

おかげで、大きなシゴトが終わって「さぁ、ダラけるぞぉ!」という気分でこれを聴いたら、いつのまにか、「さぁ、次のシゴトよ、かかってこい!」になってしまったではないか。
(2007/09/21) 

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