STAR BRIGHT (Blue Note)
- Dizzy Reece

  1. The Rake
  2. I'll Close My Eyes
  3. Groove's Ville
  4. The Rebound
  5. I Wished On The Moon
  6. A Variation On Monk

Dizzy Reece (tp)
Hank Mobley (ts)
Wynton Kelly (p)
Paul Chambers (b)
Art Taylor (ds)

1959/11/19

私がはじめてディジー・リースというトランペッターに注目したのは、デューク・ジョーダンの『フライト・トゥ・ジョーダン』(Blue Note)のプレイを聴いて。
溢れる歌心に加え、輪郭のしっかりとしたアドリヴ・フレーズ。
さらにその歌心に説得力を倍化させるがごとくの、腰の入った力強いトーンに魅せられた。

ディジー・リースは、ジャマイカのキングストン生まれ。
ロンドンに渡り、10年の間イギリスとフランスを股にかけて活動していた。
そのときに吹き込んだ作品で最初のリーダー作が『ブルース・イン・トリニティ』。
これもブルーノートから出ているアルバムだが、原盤をブルーノートが買い取って発売した作品なので、ブルーノート録音のものではない。

ヨーロッパでの活動の後、ブルーノートのオーナー、アルフレッド・ライオンの強い勧めでアメリカに移住したリース。
この『スター・ブライト』は、ブルーノートの2作目と同時に、リースの2枚目のリーダー作にもなる。

インパクトに溢れる赤いジャケット。このジャケットの醸しだす雰囲気からして濃厚なハードバップの香りが漂っている。

ウイントン・ケリーにポール・チェンバース。そしてアート・テイラーという贅沢なリズムセクション。テナー・サックスはハンク・モブレイ。生粋のハード・バッパーによる、極上の演奏が繰り広げられる。

このアルバムは、<アイル・クローズ・マイ・アイズ> が演奏されているということで、何かと話題になるアルバムでもある。
つまり、同じくトランペッター、ブルー・ミッチェルが『ブルーズ・ムーズ』というアルバムでワンホーンで同曲を吹いている上に、ピアノも両アルバムともウイントン・ケリーだという理由で、なにかと比較の俎上に乗りやすいのだろう。

もちろん、私はディジー・リースの <アイル・クローズ・マイ・アイズ> も良いと思うが、Fのキーで演奏されているブルー・ミッチェルのバージョンのほうが個人的には聴いていてしっくりとくる。
演奏の良し悪し以前に感じる、非常に生理的かつ個人的な感触なのだが、私は <アイル・クローズ・マイ・アイズ> という曲のメロディにピッタリなキーは「F」だと思っている。
それ以外のキーの演奏は、なんだか、身体が宙吊りになっているような妙な感覚に陥るのだ。
もっとも、私自身が時折セッションで演奏しているこの曲のキーが「F」だからということも大きな原因なのかもしれないが。

それよりも、私はむしろ一曲目の <ザ・レイク> のほうが好きだ。
スローテンポで、引きずるような重たさを感じる演奏。アーシーな香りがムンムンと漂ってきて良い。
低くグルーヴするノリと、意表を突いたメロディの展開がとてもワクワクする。

ディジー・リースは、このレコーディングがキッカケで初対面のハンク・モブレイと親友になったという逸話も興味深い。
二人ともメロディをとても大切にプレイするジャズマンだからだ。

派手さや絢爛さよりも、地味でも良いから、味わい深いメロディを作り上げようという心意気を持った二人。彼らが意気投合したのにも頷ける。

(2003/02/28) 

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