NO PROBLEM (Milestones) |
| - Sonny Rollins |
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Sonny Rollins (ts) Bobby Broom (g) Bobby Hutcerson (vib) Bob Cranshaw (b) Tonny Williams (ds) 1981/12/09-15 |
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この時期のロリンズが好きだという人にお目にかかったことがない。 しかし、私は「分かりやすい歌」が洪水のごとく溢れ出してきているこの時期のロリンズも結構好きだ。 もちろん、過去のプレスティッジ、ブルーノートやインパルス、それにクリフォード・ブラウンと組んでいたときのピリッとしたイマジネーションに溢れるプレイはあまり期待できないかもしれない。 またサウンドスタイルも、ボブ・クランショウのベースがエレキということも手伝ってか、ピアノ無しのもっぱらギターを起用していたせいもあってか、いわゆる4ビートのジャズとは趣が異なるが、ロリンズの楽しい「歌」を聴ければそれでいいじゃないかって気分にもなる。 ジャケットが良くないのかもしれない。 紫色のシャツを着たゴリラのようなロリンズが(失礼!)、ガハハハとばかりに大口を開けて、笑いながら腕を組んで「ノー・プロブレム」だもんなぁ(笑)。 「ノー・プロブレム」って言われたって、逆にますます心配になってきちゃうよ(笑) しかし、内容は本当に「ノー・プロブレム」! 心配いりません。楽しさ、聴きやすさは折り紙付き! まず、曲が良い。 ビ・バップ、ハード・バップの頃のメロディに比べると、随分と簡素な素朴で単純なテーマが多いが、一度聴いたら、すぐに鼻歌が出てきそうなぐらい、ハッピーなフィーリングに溢れたメロディばかり。 特に、《ヒア・ユー・カム・アゲイン》や《ペニー・セイヴド》のテーマなんかは、陽気なフィーリングの中にも、サビの部分はなかなか泣かせるメロディになので、いつ聴いても涙腺が緩んでしまう。 ただ、《ペニー・セイヴド》は中途半端な状態でフェイド・アウトしてしまうのが勿体無いのだが…。 その上、メンバーも良い。 ギターのボビー・ブルーム。 彼のギターを知らずして「泣きのギター」を語るなかれ。 地味だが、実に味わい深い渋いギターを弾く人だ。 かなりギターを弾き込んでいる人で、この人のことを崇拝している人が多いのも分かるような気がする。私の知っている人の中にも何人かいるし、彼の真似をしてギターのネックを床と並行にして弾いている人さえいる。 ギターをあまり知らない人にとっては、ちょっと分かりにくい良さなのかもしれないが、じっくり聴けば彼の実にツボを押さえた渋いプレイが分かるはずだ。 また、ヴァイブのボビー・ハッチャーソンも、とても良い具合に曲をカラフルに彩っている。 あるときは、陽気に。そして、あるときは、とても哀しげに表情を添えている。 ベースのボブ・クランショウ、堅実で手堅いプレイには好感を持てるが、個人的には、彼のエフェクトのかかった電気ベースの音があまり好きではない。「ブン・ブン」ではなくて「にゅー、にゅー」という、音の輪郭とアタックをわざとボカしたような音色は、あまり私の好きな音色ではない。 しかし、そんなことは些末な問題だと思わせるほど、ロリンズの吹きまくりは気持ちが良い。 フリークトーンを巧みにフレーズの中に混ぜたり、アドリブの中にもテーマの旋律の断片を効果的に混ぜたり、尽きることのないアイディアとエネルギーに漲っている感じがする。 ちなみに、私は、この時期のロリンズはアルバムからではなく、映像から入門した。 モントリオールでのライブ映像だ。 水色のシャツを着て、水色のチューリップ帽をかぶって、バリバリと吹きまくるロリンズの勇姿をたっぷりと堪能出来る映像だ。 私は学生時代にこの映像を繰り返し見ていた。 ギターのボビー・ブルームや、ベースのボブ・クランショウは、このアルバムと同じだが、もう一人のギターとして増尾好秋が加わり、ドラムはトニー・ウイリアムスではなく、ジャック・ディジョネットが叩いている。 特に、ディジョネットのパワフルなドラミングが、同じくパワフルなロリンズを鼓舞しまくっていて、とてもスリリングだった。 たしかに、この時期のロリンズは、それ以前のロリンズと比較するとイマジネーションやアドリブの締まり具合は劣るのかもしれないが、相変わらずロリンズ節は健在だし、何も難しいことを考えずに、ただ、ひたすら彼ならではの「歌」を無尽蔵に吹き続ける姿勢には好感を覚える。 時々笑えるようなマヌケなフレーズを吹くこともあるが、それもまたご愛嬌。 こんなフレーズを平然と吹いてキマるのは、ロリンズ以外にはあり得ないことだ。 あまり気むずかしく細かいことにこだわらずに、とにかく自然体でリラックスして楽しい「歌」を吹きまくるソニー・ロリンズも私は、好きだ。 |
| (2002/05/21) |
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