BRAZIL (Knitting Factory) |
| - Charlie Rouse |
|
|
Charlie Rouse (ts) Claudio Roditi (tp) #1,3,4,5,6,7 Wayman Reid (tp) #6 Clifford Adams (tb) #1,4,5,7 Lou Orenstein (fl) #3 Don Salvador (p) Albert Dailey (el-p) #2 Roger Powell (syn) #2 George Davis (g) #1,7 Amaury Tristao (g,per) #2,3,4,5,6 Ron Carter (cello) #2 (b) #3,4,5,6 Ulysses Kirkesy (cello) #3,5,7 Jesse Levy (cello) #4 Wilbur Bascomb (b) #1,7 Bernard Purdie (ds) #1,2,4,5 Porthino (ds,per) #1,3,4,5,6,7 Steve Thorton (per) #1,7 Carlos Martinez (conga) #3,5,7 1976年 |
|
|
|
あけっぴろげに快楽的とは言い難く、常にどことなくストイックなイメージの漂うテナー奏者、チャーリー・ラウズ。 このイメージは、長らくセロニアス・モンクのカルテットで活動していた頃のプレイのイメージがあるからかもしれない。 モンクの複雑なコンポジションを乱すことなく、丁寧に寄り添うかごときの彼のテナープレイは、モンクという強力な箍の中で、可もなく不可もなくキッチリと収まっているというイメージが強い。 モンク・カルテットでのラウズのプレイは、開放的というよりは、どちらかというと禁欲的な佇まいも漂っていた。 しかし、このアルバム『ブラジル』は思いっきり開放的。 快楽的ではなく「開放的」と書いたところがミソで、とにもかくにもアルバムのサウンド全体から感じる明るく開放的なイメージは、ラウズ自身も携わった快楽的かつ緻密なアレンジと、肉厚なアンサンブルによるものが大きい。 まさにタイトル通り、どこまでも「ブラジル」を感じさせるリズミックな陽気さを忘れない開放的なサウンドだ。 #4のように泣ける旋律も多く、特にこのナンバーはチェロを効果的に使うことによって泣ける旋律をさらに泣けるものにしている。 これら開放的サウンドの中から、ひょっこりと顔を出すラウズのテナーは、モンクのときのしかめっ面は影を潜めている。 しかし、これは彼の性格的なものなのだろうか、フレーズの構築はどこまでも生真面目。 しかし、少しすすけたテナーの音色が陽気なアンサンブルに微妙な翳りを添え、はからずとも黄昏感を色濃くもたらく効果を果たしている。 もしラウズの陰のあるテナーがなければ、このアルバムのアンサンブルは、単なる陽気なラテン・ミュージックに終始していたのかもしれない。 そういう視点で見ると、このあけっぴろげなサウンドに奥行きをもたらしているのは、まぎれもなくラウズの能天気になりきれない生真面目テナーの存在が大きい。 あくまで灼熱の太陽の街・リオではなく、冬は零下で夏は40度近い高温多湿の大都会ニューヨークで育まれたテナーサックスなのだ。 躍動的なサンバ、ラテンのリズムが快楽的。 しかし、ただ単に能天気に踊り狂うだけのダンスミュージックに終わらず、キチンと向かい合って鑑賞させるだけの深みを獲得しているのは、言うまでもなくラウズのテナーの存在が大きいのだ。 ブルーノートにも『ボサノヴァ・バッカナル』なる名盤を残しているラウズ。 彼とブラジリアンリズムの相性は良い。 サックスはじつは木管楽器なのだということを思い出させるラウズの柔らかなトーンは、リズミックなサウンドに和みをもたせる効果は確かにある。 にもかかわらず、微妙に感じる異質な肌触り、つまり根っからのラテン・ミュージックとしてではなく、ジャズの成分の含有率を高く感じさせてしまうのは、ホント、チャーリー・ラウズという人は根っからのジャズマンなんだなと感じてしまう。 だからこそ、この躍動的で開放的なこのアルバムも、単に夏の陽気なBGMとしてだけではなく、再度の鑑賞に堪えうるクオリティの高いアルバムとして仕上がっているのだ。。 |
| (2008/12/05) |
|
|
|
|
All Rights Reserved. |