A NIGHT AT THE VILLAGE VANGUARD Vol.1-2 (Blue Note) |
| - Sonny Rollins |
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volume.1
volume.2
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Sonny Rollins (ts) Wilbur Ware (b) Elvin Jones (ds) Donald Bailey (b) Pete La Roca (ds) Recorded on November 3,1957 |
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オリジナル編集のものではなく、あえて、未発表テイクを含む輸入版2枚を紹介することにする。 なにを隠そう、このバージョンの2枚こそ、ロリンズのアルバムの中では一番好きなアルバムだからだ。 それにしても、この2枚は、聴いたなぁ、聴きまくったなぁ。 暑い夏を思い出す。 夏になると聴きたくなるんですね。なぜか。 これが録音されたときは思いっきり秋なんだけどね。録音日を調べると11月の3日。あれ、我々の結婚記念日じゃないの。関係ないけど。 でも、きっと演奏から放たれる熱気がそう感じさせるのでしょう、夏!って。 不思議と蚊取り線香の匂いや団扇が似合うんですよ。 そうなると、自動的にビールも飲みたくなり、そうそう、このアルバムをかけると、ビールが飲みたくなるんですよ、条件反射的に。 そういえば、昔、エビスビールのポスターにも、大写しになったこのジャケットが使われてましたね。「旨いビールが飲みたい…」といったようなコピーだったと思うけど、あれは迫力ありましたね。 意味とかデザインとか、そういったものを単純に超越してしまって、ひたすらジャケットのビジュアルインパクトだけで、ビールを飲みたくさせるという優れた広告でした。 そうか、だから、これを聴くとビールを飲みたくなるんだな。 条件反射。パブロフの犬。まぁ、それでもいいのさ、このアルバムにかぎっては。 編成は、シンプルなピアノレストリオだけれども、音の情報量がスゴイんです。聴くたびに新しい発見があって。 その発見てのは、ロリンズのテナーのフレーズ的なもの以外にもたくさん、たくさんありまして。 “間”の妙だったり、 テナーの音色の微妙なニュアンス違いだったり、 シンバルの微妙な音色の違いだったり、 ベースラインからコード進行を類推することが出来たときに「なんだ、《ストライヴァーズ・ロウ》って、じつは《コンファメーション》じゃん!」と気がついて嬉しくなったり、 “1、2、3、4”とカウントを取る際の“3”と“4”の部分は、きっとマウスピースを咥えたから“ウーン、ウン”と唸り声になるんだろうなと気がついたり、 ウィルバー・ウエアのベースのトーンの固さとゴツゴツさ具合に改めて圧倒されたり、 テンポとリズムの間の取り方だけでも、世界がダークになったり広大に開けたりと、同じ楽器の演奏でも、ものすごく情報が変わることに気がついたり、 …と、今、ちょこっと思いついただけでも、これほどの情報量が ドバーッと書けちゃったりするぐらい(本当は書き出せばキリが無いのだけれど)、微に入り細に入り、あるいは、大音量で音の迫力そのものをドッカーン!と浴びるように聴いて、「うーん、昇天!」とノックアウトされたり、と、いろいろな楽しみ方をいまだに飽きずに続けています。 とはいえ、実は、このアルバムのサウンドが理解できたのも、いや、理解というか耳にスッとはいってきて楽しめるようになったのって、じつは随分時間がかかった。 ジャズに出会った比較的初期の時期に聴いたので、音楽、というよりも、飛び散る音のカタマリと熱気だけに圧倒されっぱなしで、いや、それすらも分からずに、それでも“何かありそうだ”という己の直感だけを信じて、ひたすら、ウォークマンのイヤホンを耳に突っ込んでましたですよ。 なにがなんだかよく分からないなりにも、それでも“何かありそうだ”から“絶対なにかを見つけて吸収してやろう”と、ほとんど音に挑むようなカタチで、ひたすらヘッドフォンを耳に突っ込んでおりました。 丁度、アメリカに遊びに行っていた時期に一番よく聴いていたのだけれども、ニューヨークから戻ってくるときの飛行機の中では、ずーっとコレばかりを猿のようにリピートさせてましたですね。 あ、それで思い出したけど、その隣にいたのが、当時、付き合いはじめたばかりの彼女。そのだいぶ後の11月3日結婚することになる、現在のうちのカミさんですが、彼女の耳にもウォークマンのイヤホンの片方を突っ込んで無理やり聴かせてましたね。余談ですが。 帰国しても、毎日聴いてました。蚊取り線香の漂う部屋で、ビールを飲んで、西瓜を食って、タバコを吸って、団扇を扇いで、『ジャズ批評』を読みながら(笑)。 そんなことを繰り返しているうちに、“何かありそう”どころか、“何かありまくり”だということにようやく気がついてきて、なんで、こんなスゲー宝箱のようなアルバムなのに、中にザクザクとある宝に気がつかなかったのだろう、って気がつきまして。 気付くの遅いんですけどね(笑)。 でもいいんです、目の前の宝箱の鍵を開けるのは、結局最後はその人自身なのだから。 直感的に素晴らしさを感じ取れる人もいるかもしれない。 しかし、私の場合は、何度も何度もトライすることによって、鍵を手に入れることが出来たわけで。 そういった意味でも、とても思い入れの深いアルバムです。 私が当時聴いていたのは、未発表テイクが盛り込まれ、vol.1とvol.2に分かれていた輸入版。 最近、東芝EMIから1,500円という廉価版で、オリジナルの曲順の状態で再発されたものもあるが、やっぱり私にとっては2枚に分かれた輸入盤のバージョンこそが最上。 もちろん、リマスターバージョンも素晴らしい。むしろ、初めて聴く人には、こちらのほうが音のバランスが良いぶん、まとまりのある演奏に聴こえて、音楽の輪郭がつかみやすくなっていると思う。 本当、信じられないほど、聴き易い内容に変身しているのだ。 それはそれで素晴らしいことだけれども、やっぱり、私は、リミックス前の、荒いシンバルがバシャーン!バシャーン!と金属の嵐をたっぷりと味わえるほうがいい。 あと、円やかでウッディなニュアンスの増したリミックスバージョンのベースの音よりも、輸入盤のゴツゴツと荒い岩のような肌触りのバージョンのほうが刺激的だ。 とにかく、スゴイのですよ、シンバルの悲鳴と、岩石のように固いベースの音圧が。 これを全身を浴びるように受け止めるからこそ、ビールが旨いのだ。 |
| (2004/06/28) |
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