PROFILE (Blue Note) |
| - Duke Pearson |
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Duke Pearson (p) Gene Taylor (b) Lex Humphries (ds) 1959/10/29 |
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《ブラック・コーヒー》といえば、ペギー・リーの名唄で有名。 では、歌ではなく、インストでの《ブラックコーヒー》のオススメは? となれば、デューク・ピアソンの演奏を挙げたい。 コーヒーのほろ苦い味を描いたのがペギー・リーだとすると、ピアソンのピアノは、まったりとした大人の時間をピアノという絵筆を使い、時間というキャンバスに淡々と描写している。 ペギー・リーのウィスパーヴォイスは低音なのに対して、デューク・ピアソンのピアノは高音を用いて“歌って”いるのも面白い。 同じブラックコーヒーでも、随分と趣きが違うが、両者に共通しているものは、なんともいえぬほどの“まったり感”。 これを演出しているのは、じつはベースだ。 テーマのベースのリフ、これがあるからこそ、“大人の時間”がまったりと創出されるのだ。 “まったり”を演じるのは、ヴォーカルやピアノだが、“まったり時間”をゆっくりと刻むのは、ベース。《ブラック・コーヒー》は、印象的なベースのリフあっての曲ともいえる。 ペギー・リーのバージョンから受ける感触は、徹頭徹尾ビターだが、ピアソンのほうは、角砂糖一杯分の甘さがある。この甘さは、ピアソンのピアノに一環した特徴で、どんなに演奏をシリアスに決めたつもりでも、どこか、ほろりと甘さがこぼれるところがピアソ ン流のピアノといえよう。 デューク・ピアソンの初リーダー作の『プロフィール』。 フォーマットは、ピアノトリオ。 地味でオーソドックス。とりたててテクニシャンでもなければ、斬新なアプローチを試みているわけでもない。 にもかかわらず、彼の演奏が退屈しないのは、彼のピアノから滲み出る“甘さ”によるところが大きい。 もちろん、曲によって砂糖の入れ加減は微妙に違う。 たとえば、1曲目の《ライク・サムワン・イン・ラヴ》は、かなり甘みの成分の多い楽しい演奏だ。 途中で三拍子になる要素を挟んだりして、テーマの処理の凝りっぷりが面白い。 ところがテーマには、一工夫を凝らしたピアソンだが、アドリブになるとピアソンの素の姿があらわになる。 つまり、この人のピアノはちょっと不器用なんだよね。 勿論、ヘタというわけではない。 滑らかに喋ろうとしても、どこか流暢になりきれないところに、愛らしい不器用さを感じる。 彼のピアノのフレージングは、整然と8分音符が並ぶわけではなく、音と音のつながりが多少団子になったりすることもある。 ゆえに、少し音符の並びが少なくとも整然とはしていない。それなのに、繰り出されるフレーズはスイート。 このギャップがピアソンのピアノの魅力だ。 とくに、『プロフィール』は、初めてリーダーを張る喜びも手伝ってか、音が喜びに溢れている。 「オレはこの曲を弾けて嬉しい」というピアソンの気持ちが、ピアノの音から滲みでている。 冒頭の《ライク・サムワン・イン・ラヴ》をはじめ、イキの良い演奏を楽しめる《アイム・グラッド・ゼア・イズ・ユー》など、ハッピーな気分で、音を紡いでゆく様子が手にとるようにわかるのが『プロフィール』なのだ。 だから、ピアソンの気分が伝染した我々まで、嬉しい気分になってしまう。 ピアソンのピアノは雄弁でもないし、深い含蓄があるわけでもない。 しかし、この曲を弾くのが楽しくてたまらないです、とでも言いたげな音の躍動感に、ついついこちらの頬み緩んでしまうというわけ。 作編曲には、素敵なセンスを発揮するデューク・ピアソンだが、彼のピアノのセンスも、中々のものがある。 |
| (2006/04/25) |
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