MOODS (Verve) |
| - Bud Powell |
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#1,2,3,4 Bud Powell (p) George Duvivier (b) Art Taylor (ds) 1954/06/02 #5,6,7,8 Bud Powell (p) Percy Heath (b) Art Taylor (ds) 1954/06/08 #5,6,7,8 Bud Powell (p) Percy Heath (b) Lloyd Trotman (ds) 1955/01/12 |
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いきなり、バシン!と叩きつけるような濁った和音。 スローテンポでアルバム冒頭を飾る《ヴァーモントの月》からいきなり夜の漆黒の淵へと引きずりこまれる。 ズッシリと重い。 まるで、頭の上に漬け物石を置かれたように、いきなりダークでヘヴィな世界が覆いかぶさってくる。 2曲目の《スプリング・イズ・ヒア》も、重量級のスローテンポ。 いったい、めくるめくスピード感で疾走しまくっていた初期のヴァーヴやブルーノート、あるいはルースト盤での彼のスピード感はどこへ行ってしまったのか? しかし、速さの達人は、遅さの達人でもある。 このアルバム全体を覆う雰囲気は、ヘヴィだがメランコリックでもある。 ほの暗いピアノの奥底からは 甘美な匂いすらもほのかに漂ってくる。 この甘美さは、最初に口につけたアルコール度数の高い酒は、口の中を苦さだけが支配するかもしれないが、呑み続けているうちに、少しずつ苦さの奥から甘さが浮き出てくる。 そのような感じに近い。 限りなくドライで、限りなく暗黒の淵に沈んでゆく感覚に貫かれたこのアルバムの演奏だが、耳をひきつけて離さない不思議な魅力がある。 雄弁さでは誰にも負けなかった男が、人が変わったように無口になってしまった。 そんな男が、ゆるやかに訥々と語りかける《イット・ネヴァー・エンタード・マイ・マインド》に涙せずして、なにに涙するというのか。 |
| (2005/11/28) |
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