MICHEL PETRUCCIANI (Owl) |
| - Michel Petrucciani |
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Michel Petrucciani (p) J.F.Jenny Clark (b) Aldo Romano (ds) Recorded At Spitsbergen Studio Holland 1981/04/03 & 04 |
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ピアノの化身、ミシェル・ペトルチアーニの魅力は、なんといってもその音色にある。 芯が強く、明快に響き渡るピアノの音色は、一聴しただけで彼のものと分かるだけの個性がある。 その上、彼が奏でるピアノは、情熱的で、ロマンの香りに満ちている。 臆面もなく“ロマン”などという気恥ずかしい言葉を使った賛辞を惜しみなく贈れるのがペトルチアーニのピアノなのだ。 あるときは、ほの暗く情熱的、そしてまた、あるときは、ブライトで悦楽的な香りを醸し出すペトルチアーニのピアノ。 この初リーダー・アルバムには、そんな彼の魅力があますことなく凝縮されている。 ペトルチアーニは、先天的なグラス・ボーン(骨疾患)という奇病を患っていため、身長は僅かに90センチ。ペダルにも足がとどかないほどだ。 それなのに、あの強靱なタッチといったら! 私が最初にペトルチアーニを知ったのは、渋谷の「スイング」で流れていた映像だが、初めて観た時は、かなり衝撃を受けた。 胸のあたりに鍵盤が位置している、身長の小さな、理知的な面持ちの男が、腕を振り下ろすようにピアノを弾いているのだ。 見た目には、かなり不自然な格好でピアノを弾いているにもかかわらず、情熱的で、起伏の豊かなアドリブを奏でていたので、正直、音と映像のギャップに戸惑った記憶がある。 彼のピアノの音色と、アドリブを聴いていると、豊かな色彩が目の前に広がってくるようだ。決してモノトーンではない。 立体的で、奥行きのある演奏、印象的なアドリブライン。 こんなにもピアノは表現力の豊かな楽器だったのかと今さらながら思い知らされる。 もちろん、ペトルチアーニの類いまれなるテクニックゆえだが、単なるテクニシャンと一線を画するところは、彼の発する一音一音に、深みがあるところ。 先ほど、ロマンという言葉を使ったが、決して耽美な演奏に溺れることがなく、常に力強く、演奏に一本の筋が通っているところもペトルチアーニの優れたところだ。 このアルバムで演奏されているナンバーは、どれも甲乙付けがたいほど素晴らしいものばかりだが、強いて2曲ほど挙げるとすれば、1曲目の《オマージュ・ア・エネルラム・アトセニグ》と、アルド・ロマーノ作曲の《クリスマス・ドリームス》がいい。 冒頭のナンバーは聴けば、演奏がはじまってから僅か数秒でペトルチアーニが持つ独特な音世界に引きずり込まれることだろう。 また、後者のほうは、アルバムの中では一番ベタで、恥ずかしいぐらいキャッチーな旋律かもしれないが、ペトルチアーニの音楽が常にたたえる明快さ、ロマンス、情熱が分かりやすい形で封じ込められている。初めてペトルチアーニを聴く方にはお薦めのナンバーだはないかと思う。 アルバムのムードに慣れてきたら、ブライトな光彩を放つピアノの輪郭をより一層際立たせるアルド・ロマーノのドラミングと、J.F.ジェニー・クラークの前のめりで、ピアノに絡みつくようなベースワークにも注目してみよう。 飽きることなく長い時間をかけて楽しめるアルバムだ。 |
| (2002/06/12) (加筆修正 2010/04/03) |
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