JACO PASTORIUS (Epic)
- Jaco Pastorius

  1. Donna Lee
  2. Come On Come Over
  3. Continuum
  4. Kuru/Speak Like A Child
  5. Portrait Of Tracy
  6. Opus Pocus
  7. Okonlole Y Trompa
  8. (Used To Be A) Cha-Cha
  9. Forgotten Love

Jaco Pastorius (el-b,horn arrangement,strings arrangement)
Sam & Dave (vo) Track-2
Randy Brecker (tp) Track-2
Ron Tooley (tp) Track-2
Peter Gordon (frh) Track-7
Peter Graves (bass-trb) Track-2
Hubert Laws (piccolo) Track-8
Wayne Shorter (ss) Track-6
David Sanborn (as) Track-2
Michael Brecker (ts) Track-2
Howard Johnson (bs) Track-2
Herbie Hancock (el-p) Track-2,3,4,6,8,9
Alex Darqui (el-p) Track-3
Ohello Molineaux (steel-ds) Track-6
Lerow Williams (steel-ds) Track-6
Narada Michael Walden (ds) Track-2
Lenniy White (ds) Track-3,6,8
Bobby Economou (ds) Track-4
Don Alias (per) Track-1,2,3,4,6,7,8

1975年9,10,12月

ジャコ・パストリアスというベーシストの履歴書だと思う。
しかも、正面アップで撮影された“宣材”付きの。

“宣材”とは、タレントや、タレントの卵が、オーディション際の書類選考用に提出するプロフィール用の写真のこと。
お察しのとおり、“宣伝材料”の略で、“せんざい”と読む。

きちんとプロのカメラマンにスタジオで撮ってもらった“とびっきり”の写真が使われることは言うまでもないが、このアルバムのジャケット写真も“とびっきり”素晴らしい。

自信溢れた表情で、真っ直ぐにこちらを見つめる瞳は、どこまでもピュアで澄んでいる。

中から飛び出してくる素晴らしいサウンドと、とびっきりのジャケット。
完璧といっても良いほど、ジャコ・パストリアスという一人のアーティストを第三者に伝えるに相応しい組み合わせだと思う。

変化に富んだアルバムの中身は、まるでジャコが聴く者に、こう語りかけているようだ。

え〜、私、ジャコ・パストリアスは、こんなベーシストです。
ジャズが出来ます。
ビ・バップだって得意です。
それが証拠に、ほら、バップの名曲かつ難曲の《ドナ・リー》をベースでテーマとアドリブを弾いちゃってます。
しかも、ラストは転調までしちゃってまっせ。
コンガとのデュオってのも、面白い組合せでしょ?

あと、新しい奏法も発見しましたですよ。
ギターやベーシストがチューニングするときに使うハーモニクスって呼ばれる倍音があるじゃないですか? コーン!っていう高い音ね。
これを効果的に使えば、アンサンブルがこんなに鮮やかになるし、演奏上の良いアクセントにもなるでしょ?

さらに、ベース一台でのソロだって、ほら、こんなに綺麗に出来ちゃうんだから。
《トレイシーの肖像》ね。
あ、トレイシーはボクの奥さんの名前っす。

それに、ボク、ソウルも得意っす。
ホラ、聴いてみてくださいよ、このグルーヴ感。
ジャズとはうって変わって、反復の連続のこのリフも、ほらほら、かなぁりグルーヴしてるでしょ?
しかも、ソウルの大御所サム&デイヴという豪華ゲスト!
あと、アルトサックスはデヴィッド・サンボーンだからね!
《カム・オン・カム・オーバー》って曲ですよん。

“ジャズのベーシスト=4ビート刻むベーシスト”ってイメージだけでボクのこと括って欲しくないですからね。
色々な音楽が出来るし、やりたいと思ってまーす。

そうそう、色々な音楽といえば、スチールドラム!
多分、スチールドラムをこのようなタイプの演奏に取り入れたのは、きっとボクが始めてなんじゃないかな?

ベースのテクニックだけじゃなくて、アイディアマンとしてのボクも評価して欲しいなー。

あと、曲も作りますよー。
《コンティニューム》っていう、ちょっと哲学的なタイトルなんだけど、ほら、奥行きのある曲でしょ?
長距離バスに揺られながら作った曲でーす。
もちろん、ベース一本でも弾くことが出来る曲ですよ。

でもね、ボク、作曲だけじゃなくて、アレンジも出来るんですよ。
さっきのソウルっぽい曲のホーン・アレンジはボクだし、ハービー・ハンコックの《スピーク・ライク・ア・チャイルド》のストリングス・アレンジもボクでーす。

ベースプレイだけではなくて、様々なボクのアイディアと音楽性をトータルで捉えて欲しいな。
だから、このようなアルバムを作りました。
是非聴いてね。


…って声が聞こえませんか?(聞こえるわけないか)


・アイディア豊富
・切り口多彩
・テクニック抜群

と、3拍子が揃った、ゴチャ混ぜなくせして、バランスの取れた名盤ってわけです、『ジャコ・パストリアスの肖像(邦題)』は。
(2003/10/24) 


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