HELLO HERBIE (MPS) |
| - Oscar Peterson |
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Oscar Peterson (p) Herb Ellis (g) Sam Jones (b) Bobby Durham (ds) 1969/11/05 & 06 |
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ながらくオスカー・ピーターソンがどうにも苦手だった。 分かりやすく、楽しいのはいいのだが(特に音より映像で鑑賞するとそれが顕著)、自分が勝手に抱いていたジャズのほの暗いイメージとはまったく正反対の存在だったからだ。 当然のことながら、ピーターソンはピアノがうまい。 いや、うますぎる。 そう、うまいというのは、ピアノを縦横無尽に弾きまくる力量のみならず、ピアノを綺麗に鳴らす技量もふくめてのこと。 ダイナミクスも申し分ないし、音も歯切れよく、明快だ。 私が好きなピアニストの一人、バド・パウエルの暗くよじれたピアノとは正反対の存在で、どこまでもヤバさをふりまくパウエルに比して、ピーターソンには破綻のない優等生を感じていた。 だから、シンパシーを感じなかったんだよね。 とはいえ、そんなナマイキなことを言いつつも、当時の私が持っていたピーターソンのアルバムって、『プリーズ・リクエスト』や『ナイト・トレイン』といったラインナップのみ。つまり、ヴァーヴの作品しか持っていなかったわけだ。 私のピーターソン観が代わったのは、MPSレーベルに録音された作品を聴いてから。 ところかわれば、テイストかわる。 レーベルかわれば、表現も微妙にかわる。 ミルト・ジャクソン参加の『リユニオン・ブルース』や、ハーブ・エリスを全面に出したこのアルバムを聴いたら、「なんだ、ピーターソンってすごくイイじゃないの」と思うようになってきた。 底抜けにハッピーなフィーリングをたたえたピアノなのはそのままだが、圧倒的にドライブしている。ピチピチと跳ねるような躍動感。 ヴァーヴのピーターソンしか聴かずに、ピーターソン云々と言っていた自分が恥ずかしく感じたものだ。 とにかく、躍動感に満ち満ち、どこまでもエネルギッシュ。 陽のパワーをこれでもか、と放射しまくっているのだ。 ヴァーヴの録音だけしか聴いていないピーターソン嫌いは、ノリにノリまくる《ナップタウン・ブルース》で、まずは、目からウロコを落として欲しい。私は、ウロコどころか、目から魚がボトリと落ちた。 また、このアルバム『ハロー・ハービー』は、ハーブ・エリスというギタリストのセンスの良さを改めて再発見できるアルバムでもある。 ノリも良く、じつに自然にギターで歌うテクニシャンっぷりをいかんなく発揮するエリス。 ピーターソンの“いちサイドマン”という認識しかなかった人は、じつはハーブ・エリスというギタリストは、ワイルドで太いギターを弾く男だということが分かるだろう。 相当なテクニシャンだということは、ギターを弾かない私にもよくわかるが、難解さを微塵も感じさせずに、我々を楽しませてくれるギターをこれでもかと繰り出している。 それにしても、『リユニオン・ブルース』もそうだが、MPSはいいピーターソンのアルバムを作るレーベルだよなぁ。 音もクリアで芯がしっかりしているし、ダイナミックレンジも広い。 社長のハンス・ゲオルク・ブルーナシェアが根っからのピーターソン・ファンだそうだが、その思いがピーターソンにダイレクトに伝わっているかのよう。 水を得たかのように生き生きとした演奏が多く、社長の「ピーターソン愛」が、ピアノの音を媒介にこちらまでビンビンと伝わってくるのだ。 |
| (2008/08/01) (加筆修正 2010/02/12) |
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