CHOPS (Pablo)
- Joe Pass & Niels-Henning φsted Pedersen


  1. Have You Met Miss Jones
  2. Oleo
  3. Lover Man
  4. £5 Blues
  5. Come Rain Or Come Shine
  6. Quiet Nights Of Quiet Stars
  7. Tricrotism
  8. Old Folks
  9. Yardbird Suite
  10. In Your Own Sweet Way

Joe Pass (g)
Niels-Henning φsted Pedersen (b)

1978/11/19
at Chappell Studios,London


ジョー・パス好きなギターフリークのみならず、全ベーシスト必聴ともいえるスリリングな弦楽器同士のデュオだ。

それにしても、うーむ、ベースのほうがギターよりもたくさんの音を弾いているのではないでしょうか?

それぐらい、ペデルセンは凄まじいテクニシャンぶりを発揮している。
驚くほどに饒舌なベースだ。

しかも、単に“おしゃべり”なだけではなく、ニュースキャスターばりに語彙も豊富だし、発音も正確。活舌も良い。

太くしなやかなゴムヒモがブルンブルンとしなるように、弾力性のある低音を発しているのだ。

いちおう、ジョー・パスとぺデルセンの双頭リーダー名義となってはいるが、実質的なアルバムの主役はぺデルセンなんじゃないかと思うほど。

もちろん、ギターとベースの名手による“対話”であることには変わりないが、お喋りなのはぺデルセン、上手に相槌を打つのが上手なのがジョー・パスといった感じだ。

もちろん対話なので、ジョー・パスが喋る側に回ることもある。
彼の語りは、ぺデルセンほど饒舌でないが、レパートリーが広くて、飽きがこない。
チャーリー・クリスチャンから、ジム・ホールまでと、新旧幅広い話題を嫌味になることなく、要点を押さえて語ってくれるので、聴き手としては嬉しくなってしまう。

この含蓄ある話に相槌を打つぺデルセンだが、相槌のみならず、自己主張を忘れないところも彼らしい。

言葉の多いぺデルセンと、言葉少なめのジョー・パス。
音的な役割分担、バランスは申し分ない。
二人とも“お喋り”だったら、きっと頭が混乱していたことだろう。

伸びやかにぺデルセンがテーマを奏でる《ジョーンズ嬢に会ったかい?》。

一糸乱れぬテーマの《オレオ》と《トリクロティズム》。

この曲で、ウッドベースで、ハーモニクスを多用するんですかい!? な《ラヴァーマン》。

ボサノヴァなのに、“ゆったり”とは無縁な、《クワイエット・ナイト・アンド・クワイエット・スターズ》。このようにプッシュしまくるベースを弾かれたギタリストは、急かされている気分になるのではないだろうか?

ウッドベースで和音を弾いて伴奏するんかい!?と絶句するのが、《オールド・フォークス》。
いやはや、和音のピッチも完璧、とまでは言わないが、許容範囲です。

もう自由奔放なバッキングなんだからぁ!な《ヤードバード組曲》。

しっとりバラードの伴奏なのに、指板全体を指が駆け巡り、なおかつギターを邪魔していない《イン・ユア・オウン・スイート・ウェイ》。

これらぺデルセンの猛烈なテクニシャンぶりには、多くのベーシストは、嫉妬を飛び越え、口をあんぐりとあけて唖然とすることでしょう。

はいはい、分かりました、凄いですね、もう後は勝手にやってください、とばかりに、呆れたフリをするしかない。

ジョー・パスの好サポートがあるからこそ、最後まで飽きずに聴き通せるが、やっぱりぺデルセンのスゴ過ぎテクニックが続くと、最後のほうには、満腹状態になってしまっているかもしれないね。

ギターとベースだけの編成だから、ムーディで落ち着いたアルバムだろう、リラックスしてブランデーでも転がしながらまったりと聴こう、なんて思うのは間違い。
グイグイと展開してゆくぺデルセンのベースに引き込まれてしまい、最後までBGMとしては聴けないことでしょう。

そのかわり、脳を刺激してやまない知的でスリリングな興奮が待っている。
(2005/12/05) 


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