AN EVENING AT HOME WITH THE BIRD (Savoy) |
| - Charlie Parker |
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Charlie Parker (as) Claude McLin (ts) George Freeman (g) Chris Anderson (p) Leroy Jackson (b) Bruz Freeman (ds) 1950年秋 |
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パーカーを聴くというよりも、ジョージ・フリーマンの“妙な”ギターを聴くためにかけているアルバムだ。 録音のせいかもしれないが、微妙に音が割れ、エコーがかかったように聴こえるギターの音と、ウネウネとした何とも形容しがたい旋律を奏でるジョージ・フリーマンのギターは、かなり異色だ。 1950年の秋にシカゴのパーシング・ホテルで、地元のバンドに客演したパーカーの演奏を収めたのが本アルバムだ。 当時出回ったばかりの家庭用テープレコーダーで録音されている。 ホテルの会場での演奏なのに、なぜ「アット・ホーム」というタイトルなのかというと、発売当時にはこの音源は、パーカーの自宅(アパート)で行われたセッションだと思われていたからだ。 ところが、1971年のダウン・ビート誌によるジョージ・フリーマンのインタビューの際に、実はこの演奏はシカゴのパーシング・ホテルのパーシングボールルームで行われた演奏だということが判明した。 このアルバムが発売されたのが、1960年だから、実に11年後に、正確な録音場所が判明したことになる。 しかし、これが発売された当時は、パーカーの家で録音された音源だと思われ、そのようなアルバムタイトルが付けられてしまったため、“パーカーの家で、ある日の夕方に行われたセッション”といったタイトルのまま現在に至っているというわけだ。 このアルバムの発売当時のライナーには、“テナーサックスはワーデル・グレイと思われる”と書かれていたそうだ。 たしかにパーソネルのデータが手許に無い状態で聴けば、このクロード・マクリンの伸びやかなテナーサックスはワーデル・グレイのようにも聴こえる。 彼のサックスも、このアルバムの聴き所の一つだ。 ワーデル・グレイと間違われても仕方が無いと思われるほど、朗々と流れるように歌うプレイは、ほのぼのとした気分になれて気持ちが良い。 「小さなホテル」のアドリブでは、ソニー・ロリンズが吹いた「中国行きのスローボート」のアドリブフレーズがちらりと顔を出したりもして微笑ましい。 スタイルはビ・バップではないが、甘く太いサウンドで奏でられる彼のテナーもなかなか味わいがあって良い。 そんな、ほんわかしたテナーなだけに、パーカーのソロがとても近代的に聴こえてしまうのは私だけだろうか? そう、このセッションにおけるパーカーのプレイは、破綻の無い骨格のしっかりとしたプレイで、淡々とした演奏にもかかわらず、実にバランスの取れたプレイをしている。 あまりクリアとは言えない録音状態にもかかわらず、彼の芯の通った音は良く鳴っている。 ライブとはいえ、たとえば『バード・イズ・フリー』で聴ける熱狂さは感じられず、腰の据わった落ち着いたプレイをしているパーカー。それなのに、アドリブの冴えといい、構成のまとまりといい、非常に完成度の高いアドリブを彼は吹いていると思う。 そう、パーカーはとても素晴らしいプレイをしているのだ。 にも、かかわらず、ジョージ・フリーマンの変態(?)ギターの前では、そんなパーカーのプレイですら霞んで聴こえてしまうのだ。 ヘンな言い方だが、パーカーの申し分無いソロ・プレイは、ジョージ・フリーマンのキレ気味のプレイの前では、“普通過ぎる”ように聴こえてしまうのかもしれない。 《小さなホテル》での彼のプレイは、“まとも”なので、それほど特筆すべき点はないのだが、「ファイン・アンド・ダンディ」のギターソロがすごい。 まるで、一本の弦を上から下までこねくり回しているような、言葉では形容不可能なすごいスピード感とフレーズを「びゅんびゅん」と飛ばしまくっているのだ。 これは、すごい。 なんだかよく分からないけど、すごい。 ハーモロディックなギタリストのジェームズ・ブラッド・ウルマーも、ジョン・ゾーンの曲を演奏したりもしているマーク・リボーも一瞬色あせて聴こえるぐらいの変わりっぷり。 初めて聴いたときは、そのギターのプレイに思わず仰け反り、次いで、どう反応してよいか分からず、思わず大笑いをしてしまったほどだ。 彼の変態ギターの前ではパーカーですら霞んで聴こえてしまうあたり、いかに彼のギターが異色で突出しているかが分かろうものだ。 ジョージ・フリーマンというギタリスト、他ではどういう活動をしていたギタリストなのか、データ不足で分からないが、なんだか凄い人もいたもんだというのが、このアルバムを聴いたときの私の感想。 冒頭ではジョージ・フリーマンのギターを聴くアルバムと書いたが、クロード・マクリンの悠々たるテナーも、バランスの取れたパーカーのプレイも楽しめるアルバムなので、パーカーの音源の中では、異色な編成ながらも、なかなか楽しめる好アルバムだといえそうだ。 |
| (2002/10/15) |
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