WOW (Somethin' Else) |
| - 大西順子 |
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大西順子 (p) 嶋 友之 (b) 原 大力 (ds) 1992/09/03-05 |
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鍵盤の低音部をガンガンと弾きまくるのが圧巻な《ザ・ジャングラー》や、《ブリリアント・コーナーズ》、《ブロードウェイ・ブルース》なども迫力があって良いが、私にとっての『ワウ』は、なんといっても《プロスペクト・パーク・ウェスト》を聴くためのアルバムだ。 え?そんな曲あったっけ? 一瞬訝しがる方もいらっしゃるかもしれない。 なにせ、このアルバムの流れの中ではちょっとした“箸休め”的な小ぢんまりとした曲なのだから。 あるいは、力演の《ポイント・カウンター・ポイント》への橋渡し的な役割を果たすだけの、単なる“前振り”的なイメージしか持たれていない方も多いかもしれない。 たしかにその通りなんだけど、“小曲”ながらも、《プロスペクト・パーク・ウェスト》は、大変に魅力的な曲なのだ。 そこはかとなくモンク的な匂いをメロディや和音から感じ取れる。 もっと具体的に言うと、《クレパスキュール・ウィズ・ネリー》の現代版とでも言うべきか。この曲を、さらに理知的に整理整頓した、奇妙な美しさの漂う曲だ。 クールに叙情的な曲想と、よく練り上げられた和声。ピリッと簡潔にまとまった短い演奏。アドリブ無しのテーマだけの繰り返し。途中からさり気なく入るシンバル。日常的で乾いた雰囲気の中に、時折垣間見れる湿っぽさ。 次の曲の熱演の嵐の前の静けさといった感じだが、この曲こそ、この重たい雰囲気のアルバムの中のヘソだと思う。 このピリッとした《プロスペクト・パーク・ウェスト》を私は愛してやまない。 一番目立たない曲を引き合いに出してしまったが、他の演奏も、もちろん一級品。 生ぬるい気分で聴くと、手痛い反撃に合いそうなほど、ハードにドライブするピアノが聴ける。時に重苦しいほど、ゴリゴリ、ガンガンと迫ってくるピアノは、かなりの迫力。男勝りのタッチと気迫だ。 エリントンを彷彿とさせる低音の使い方、チャールス・ミンガスが好んで使うような「濁った」和声感覚。 そうかと思えば、ケニー・カークランドを彷彿させるモダンな和声感覚も混在し、疾走するシングル・トーンにはレッド・ガーランドの面影もチラホラ。 この初リーダー作には、彼女が長年温めてきたアイディアや、やりたいことを一気に吐き出したような印象がある。 だからといって、散漫な内容ではなく、むしろ、アルバム全体を貫くトーンは一貫していて、ジャズの「濃い」部分のエッセンスが凝縮された内容となっていると思う。 リズムセクションの手堅いサポートも見逃せない。 特にベースのリアルな音色も特筆すべきものがある。 |
| (2002/08/28) |
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