THIS IS PAT MORAN (PAT MORAN TRIO) (Audio Fidelity) |
| - Pat Moran |
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Pat Moran (p) Scott LaFaro (b) Johnny Whited (ds) Bev Kelly (vo) 1957/12月 |
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一般にビル・エヴァンス・トリオでのインタープレイで知られるスコット・ラファロのベースプレイ。 これはつまり、暗黙にメロディアスなベースを弾く人、卓越したベースソロを弾く人というイメージが出来あがっていることにほかならないのだが、じつはスコット・ラファロという人は、ソロも凄いが、それ以上に、ベース本来のオーソドックスなバッキング、つまりは4ビートを刻む達人であるということももっと知られても良いと思う。 先日発売されたスコット・ラファロの集大成とでもいうべき書籍『スコット・ラファロ その生涯と音楽』(国書刊行会/ヘレン・ラファロ・フェルナンデス・著/中山康樹、吉井誠一郎・訳)に寄稿されているイーストマン音楽学校の助教授 ジェフ・キャンベルも、「スコット・ラファロの音楽II」という章で指摘していることだが、ラファロには卓越したグルーヴ感、4ビートにおける強力な推進力を担う力量があるということにもっと注目しても良いだろう。 そして、ラファロの「4ビート力」を証明してあまりあるアルバムが女性ピアニスト、パット・モランのトリオ『ジス・イズ・パット・モラン』なのだ。 美ジャケ好きのジャズマニア垂涎とでもいうべき“そそる”ジャケ写が魅力的なこのアルバムだが、それ以上に、まずはスコット・ラファロのウォーキング・ベースの強靭さに触れるにはもってこいの内容。 心持ラファロのベースの音が持ちあげられていることもあり、これでもかというほどにラファロの脈打つウォーキングベースを味わえるアルバムなのだ。 肝心のモランのピアノはというと、悪くはないが、少し意地の悪い言い方をすると、ラファロの存在感に喰われているところがなきにしもあらず。 たとえばレッド・ミッチェルのような手堅いジャストビートで歩幅の大きな4ビートを奏でるベース奏者と組めば、このアルバムの佇まいも落ち着いた、悪く言えば凡庸なピアノトリオ作品になっていたのかもしれないが、ラファロの脈打つベースのお陰で、良くも悪くも凡庸では終わらない「ピアノトリオ」ならぬ「ベーストリオ」が形作られている。 ビル・エヴァンスとのインタープレイ(アメリカではインターアクションという)、すなわち楽器奏者による音と音との対話でラファロの素晴らしさに目覚めた御仁は、次なるステップとして、オーソドックスな4ビートを刻むラファロの素晴らしさにも開眼して欲しいと思う。この『ジス・イズ・パット・モラン』で。 ちなみに、上記クレジットは、国内盤として発売されている徳用盤からのデータを転記している。すなわち、このトリオが伴奏を担当したビバリー・ケリーのアルバム『ビバリー・ケリー』(Audio FIdelity)をカップリングした盤のCDデータを引用した。 |
| (2011/03/28) |
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