NIGHT LIGHTS (Mercury)
- Gerry Mulligan

  1. Night Lights (1963 version)
  2. Morning Of The Carnival From "Black Orpheus"
  3. In The Wee Small Hours Of The Moring
  4. Prelude In E Minor
  5. Festival Minor
  6. Tell Me When
  7. Night Lights (1965 version)

Track 1-6
Gerry Mulligan (bs,p)
Art Farmer (tp,flh)
Bob Brookmeyer (trb)
Jim Hall (g)
Bill Crow (b)
Dave Baily (ds)

Recorded September 1963 at Nola Penthouse Studies, N.Y.C.


Track 7
Gerry Mulligan (cl)
Pete Jolly (p)
Jond Gray (g)
Jimmy Bond (b)
Hal Blanie (ds)
plus a ten-piece string section
concert master : Harry Bluestone

Recorded 1965

ジェリー・マリガンのバリトン・サックスを堪能するには、ちょっと物足りないアルバムかもしれない。
しかし、曲の良さ、雰囲気の良さ、極上のサウンドとムードを味わうことが出来るアルバムだ。

やはり、なんといっても、タイトル曲の《ナイト・ライツ》だろう。
まさに、ジャケットのイラスト通りの音楽だ。
ここでは、マリガンはピアノを弾いている。
訥々としてはいるが、一音一音に心がこもったピアノ。
ピアノによるテーマが終わるとすぐに入ってくるアート・ファーマーのフリューゲル・ホーンのふくよかな音色が、さらにアダルトなムード(笑)を盛り上げている。

このアルバムは、おそらく数あるマリガンのアルバムの中でも最も人気のある一枚だと思うが、その秘密は、親しみやすい選曲、人選の2点にあると思う。

まず、選曲だが、ショパンの美しいメロディをボサノバ風にアレンジした《プレリュード・イン・E・マイナ》ー、哀調を帯びた《フェスティバル・マイナー》、ボサノバの《カーニヴァルの朝》などなど、魅力的なナンバーが勢揃いしている。

そして、パーソネル。
アート・ファーマーや、ジム・ホールといったホールをはじめとした、知的でソフトなプレイを持ち味とする人選が魅力だ。
派手ではないが、表現に抑制を効かせて、丁寧にフレーズを歌い上げる人たちが作り上げるソフィスティケイトされた雰囲気、世界。

ジェリー・マリガンの流麗で、ソフトなバリトン・サックスの音色は、彼らの織りなすサウンドに、とても綺麗に溶けこんでいると思う。

そして、もう一つ。

トランペット(フリューゲル・ホーン)が、チェット・ベイカーではなく、アート・ファーマーがだというところもツボだと思う。
チェット・ベイカーと組んだときのマリガンは、「張り合っている」というワケではないのだろうが、ベイカーの張りのあるプレイから刺激を受けるのだろうか、もう少し勢いが出てくる。
アート・ファーマーが、マリガンを刺激しない凡庸なトランペッターだというわけではなく、ファーマーの知的で落ち着いたプレイが、マリガンのプレイに対して、良い意味での鎮静剤的な効果を及ぼしていると思う のだ。
特に、このアルバムのように、個人のプレイよりも、どちらかというと、全体のムードを楽しみたい音楽の場合、アンサンブルと全体的な響きの調和感に重点を置いてこそ、このような心地の良いサウンドが生まれるのだろうから。

(2002/04/20) 


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