LEE-WAY (Blue Note) |
| - Lee Morgan |
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Lee Morgan (tp) Jackie McLean (as) Bobby Timmons (p) Paul Chambers (b) Art Blakey (ds) 1960/04/28 |
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ジャズに興味がなくとも、チェット・ベイカーなら好きだし,よく聞いていますという女性は多い。 また、チェット・ベイカーほどではないが、時折、ジャズが好きというよりは、リー・モーガンが好きで、彼のアルバムを持っているという女性に出会うこともある。 2人は共にトランペッター。 やはり、トランペッターは女性の心をくすぐる何かを持っているのかな、なんて思ってしまうけれども、この2人の場合は、楽器よりもルックスなのかもしれない。 男の私でも惚れ惚れするほどのカッコ良さだからね。 とはいえ、彼女たちは、たとえ外見が入門へのキッカケだったにしても、キチンと音も聴き込んでいる。 単なる「リー様素敵!」みたいなミーハー根性で音を聴いているわけではなさそそうだ。 それが証拠に、たとえば、リー・モーガンのアルバムだと、好きなアルバム、何を挙げると思う? 『サイドワインダー』でも《月の砂漠》で有名な『ランプローラー』でもない。 『ザ・クッカー』、それに『リー・ウェイ』という、シブいタイトルを挙げてくるではないですか。 これらのアルバムは、リー・モーガンのディスコグラフィの中では、埋もれているというほどはないけれども、『サイドワインダー』や、『キャンディ』ほど、代表作に挙げられるアルバムではない。 さらに、《アイ・リメンバー・クリフォード》が入っている『vol.3』ほど「曲で有名なアルバム」でもない。 これらのアルバムの陰に隠れて、『リー・ウェイ』や『ザ・クッカー』は、目立たないポジションにいるアルバムではある。 少なくともリー・モーガンの1枚目に買うようなアルバムではない。 しかし、内容はというと、かなり良い。 少なくとも、『リー・ウェイ』は、私個人としては、前出のアルバムよりはかける頻度の高いアルバムだ。 「うーん、ハードバップ!」と臆面もなく言えるような演奏が、熱く、正しく、カッコよく演奏されている力作なのだ。 とくに、精悍なリー・モーガンのポートレイトのジャケ写や、ジャケットの色合いの良さななどの影響も多少あるのかもしれないが、「嗚呼ヨン様」、…じゃなくて、「嗚呼、リー様」と、ルックスだけで鑑賞できる内容ではないことは確か。 聴き手に媚びない、充実した濃い演奏がブチ込まれているからだ。 しかも、ものすごくキャッチーな曲があるわけではなく、おまけに演奏時間も10分前後の曲ばかりが並ぶこのアルバム、きちんと音楽を聴き込もうという意気込みが無いと、美味しさがよく分からないままに終わってしまう可能性の高いアルバムなのだ。 そんなアルバムを、 「へぇ、リー・モーガン好きなんだ。どういうの聴いているの?」と尋ねると、ここ5年ぐらいの間に『リー・ウェイ』と答えた女性が、3人もいたということは、これまた驚くべきことではないでしょうか。 いや、驚くべきことではないかもしれないけれども、たまたま偶然が重なっただけなのかもしれないけれども。 10分を超える演奏時間曲のオンパレードに、凝ったアレンジなど、どちらかというと通好みの印象も拭えなくもないが、熱い演奏、カッコイイ演奏の前には、彼女たちには関係のないことなのでしょう。 このアルバムにおいて特筆すべき点は、まずはパーソネルの良さだろう。 ドラムがブレイキーに、ベースがチェンバース。その上、ピアノはバックに回ると演奏者を陰ながら煽るのが上手なボビー・ティモンズ。 鉄壁のリズム隊だ。 特に、このアルバムでのアート・ブレイキーのドラミングは素晴らしく、曲の展開にあわせて、非常に知的なドラミングをする。 彼は単なる豪快な「煽り屋さん」なだけではないことがよく分かると思う。 さらに、リー・モーガンと肩を並べるフロント管楽器は、ジャッキー・マクリーン。 時に、主役のモーガンを喰うんじゃないかと思うほど、彼の五臓六腑に染み渡るようなアルトサックスを吹いている。 彼のサウンドは、本当に不思議で、すごく訴求力の高い音色だ。 なにせ、ボリュームを落としていても、ほかのソロ奏者のプレイは耳に残らなくても、彼のアルトだけは耳にとまるから。 最近は、有線でジャズを流している店が非常に多いけれども、蕎麦屋で昼飯を食べながらでも、マクリーンのプレイだけにはハッとなるからね。 たとえ、店の音量がほんとうにBGM的に低いボリュームで流れていたとしてもだ。 どのアルバムのなんという曲の演奏までかはわからないことも多いけれども、不思議とマクリーンが吹いているということだけはわかる。 これは、なかなか凄いことではあります。 そんなマクリーンとは無理して張り合わずに、比較的冷静に自分の世界を構築しているモーガンのトランペットも印象的。 ただし、よく聴くと、さり気なくすごいフレーズを混ぜている箇所もあるので、侮れない。 ミドルテンポで、スムーズに下降してゆくクロマティカル(半音階的)なメロディラインをトランペットとアルトサックスがユニゾンで奏でるテーマが印象的な《ジーズ・アー・ソウル・デイズ》。 この曲のテーマの面白いところは、滑らかなメロディラインに引き続き、突然、アクセント的に3拍子にリズムが変わるところ。 これにはかなり意表を尽かれる。 同時に、頭から離れなくなるほどの特徴あるメロディ。 ブルーノートのオーナー、アルフレッド・ライオンと、このレーベルの写真家、フランシス・ウルフの名前からとった《ザ・ライオン・アンド・ザ・ウルフ》は、シリアスで中身の濃い演奏だ。 チェンバースのベースワークが良い。 《ミッド・タウン・ブルース》も、テーマのメロディがカッコいいブルースだが、それ以上に、参加メンバー各人の持ち味をたっぷりと味わえるショーケース的な役割を果たしている曲でもある。 ここでのモーガンは、さすがに本アルバムの主役!とでもいうべきソロを展開するが、アート・ブレイキーのドラミングにも注目したい。 バッキングにおいても、彼はドラムで慎重にストーリーを組み立てているかのようだ。 ラストの《ナカティニ組曲》。 ジャズ・メッセンジャーズそのものの演奏ではないか!と思うのは、ブレイキーの熱いドラムソロと、勇壮かつやる気が出てきそうな曲調だからかもしれない。 アルバムラストを飾るに相応しい曲だ。 収録4曲を駆け足で紹介したが、いずれも個性的な曲&演奏ばかりで、アルバムとしてのクオリティはかなり高い。 それにしても、キースでもエヴァンスでもノラでもなく、流行やイメージとは関係のない、ひたすら男の汗の飛び散るかのような熱きハードバップを、女性たちが日常的に聴いていることを想像するだけでも、なんだかとても嬉しくなってくる。 だって、スノッブや見栄やカッコつけでは『リー・ウェイ』は、普通聴かない音楽だから。 正しく真っ当な中身の濃いジャズ。 だから、彼女たちは、きちんと、確かなセンスで内容を見て(聴いて)、好きになっているんだなということがよく分かる。 ブランドや知名度や周囲の評価とは無関係に、自分の感性にフィットするホンモノのクオリティのものを選び、楽しむ。 そういうことが日常的に平気で出来る女性は素敵だと思うし、『リー・ウェイ』が好きな女性は、私は好きです。 |
| (2005/03/25) |
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