BEAUTY WITHIN (Blue Note)
- Charnett Moffett

  1. Love Never Fails
  2. Dancing With Love
  3. Angela
  4. My Little One
  5. Beauty Within
  6. The Message
  7. Eastwood

Charnett Moffett (b,el-b,key,drum progrumming,per)
Kenny Garrett (as) #2,7
Mondre Moffett (tp) #4
Charles Moffett Jr. (ts,string arrangement,syn) #1
Stanley Jordan (el-g) #3
Kenny Drew Jr. (syn,key) #1,2,5,7 (p) #6,7
Bernard Wright (syn&Drum programming) #3,4
Codaryl "Cody" Moffett (ds) #1,2,6,7
Charles Moffett,SR. (ds) #4
Charisse Moffett (vo) #5

1957/12/20 #7,8,9
1957/12/23 #1,2,5,10
1957/04/11 #3,4,6


チャールズ・モフェットという名のドラマーをご存知だろうか?

オーネット・コールマンの『ゴールデン・サークル』では、エキサイティングなドラムを叩いたドラマーとして記憶されている方も多いと思う。

彼の息子の一人はベーシスト。

父・チャールズのチャーと、敬愛するオーネットのネットを組み合わせて、チャーネット・モフェットと名づけられた。

80年代後半、彼がシーンに登場したときは、若手アコースティックベース奏者として、かなりの注目を浴びていた。

マンハッタン・ジャズ・クインテット、ウイントン・マルサリス、トニー・ウイリアムと、いずれもネームバリューのある人物やグループに在籍した輝かしい経歴ゆえに、当時のジャズ界にとっては期待の星だったのだ。

人気に乗じて作られた彼のリーダー作、1枚目が『ネットマン』。
つづいて、2枚目がコレ、邦題『愛の美学』だ。

どんな内容なのかを簡単に言ってしまうと、アコースティック、エレキと両刀使いのベーシストが“色々やってみました”なアルバム。

スーパーやショッピングセンターなどに流れていそうな、毒にも薬にもならないBGM的なサウンドが延々と続く。
魂もガッツもなく、ベーシストとしての主張が一切感じられないアルバムなのだ。
もし主張があるとすれば、
「ボク、いろいろ出来るし、いろいろやってみました」
ぐらいなものか。

ウッドベースの演奏力はかなり高い人なのに、あれこれとウッドベース以外のことに色目を使いすぎたことが裏目に出てしまっているとしか思えない。

ただ、ものすごく強いていえば、2曲だけ参加しているケニー・ギャレットのアルトの咆哮が、“このアルバムの中では”エキサイティングに感じるかもしれない。
ただ、この程度のギャレットだったら、ほかのアルバムでもいくらでも聴けるし。

それ以外は、残念ながら聴くべきところってほとんどない。
たしかに、ベースは上手いけどさ、だからといって、ベースやっている私が聴いても、あまりグッとこないのだ。不思議と。

このアルバムの発売当時は、『スイング・ジャーナル』や『ベースマガジン』などの専門誌では、“チャーネット・モフェットが今度はエレキも弾いた!”
といった趣旨でインタビューやアルバム紹介記事が大きく掲載されていたことを思い出す。
ま、新譜としてのの広告も掲載されていたことも関係あるのかもしれないけどさ(笑)。

だから、このアルバムの広告やインタビューやレビューを見たベーシストは、多少なりとも興味を持つわけで、私の友人も早速コレを買って聴いていた。

ところが、ほどなくして、私は彼からこのCDを譲り受けることになる。
タバコ1本と引き換えに。

耳を通して、友人が手放したくなった理由がなんとなく分かった。
同時に、「ヤツめ、うまいことやりやがって」と、少しだけ怒りがこみあげてきた。

だって、まだタバコ1本のほうが、このアルバムよりも至福の時間を得られるではないか……!
(2005/06/11) 

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