AT THE LIGHTHOUSE (Blue Note)
- Lee Morgan

  1. Introduction
  2. Beehive
  3. Something Like This
  4. Speedball
  5. Nonmo
  6. The Sidewinder

Lee Morgan (tp)
Benny Maupin (ts)
Harold Mabern (p)
Jymie Merritt (b)
Mickey Roker (ds)

Recorded at The Lighthouse,Hermosa Beach,California
1970/07/10,11&12


3枚組のセットも出ているが、いきなり手を出す必要は無いと思う。
まずは1枚組のCDの中に封じ込められている熱気を存分に浴びてみよう。
それでも飽き足らないという人だけ、改めてセットにも手を伸ばせば良いと思う。

どうも、ボックス・セットや、コンプリート集などという何枚組ものCDをセットで買ってしまうと、「俺は買ったぞ、いえーい!」という安心感が先だってしまい、あまり聴かなくなってしまう人が多いようだ(もちろん私もそうだけど)。
この満足感って、百科事典や文学全集を書棚に飾っているだけの満足感と同じようなものだと思う。

だったら、すぐにでも取り出せて、気軽にパッと聴ける1枚モノの『アット・ザ・ライトハウス』を手許に置いておいたほうが数倍良い。満足感だけを買って、あとは棚の中に鎮座させるのは、あまりにも勿体無さ過ぎる内容だからだ。
こういうジャズこそ、日常的にドバドバと聴いて、ヤンチャでトッポくてイキの良い連中から、元気と活力を分けてもらうべきなのだ。

カリフォルニアのライブハウスで行われた、3日間のリー・モーガン・グループの熱い演奏。
1枚モノのCDにもキチンとおいしいところは収められている。

会場に訪れたジャック・ディジョネットが一曲だけ叩いたという「ビーハイヴ」。
激しく、うねりまくるドラミングのこの曲は、1枚モノのCDの冒頭を飾るに相応しい。
また、《サイドワインダー》も収録されている。
モーガン自身の心の中では「過去のもの」となっていて、この頃になるとあまり演奏したがらなくなっていたヒット曲。

だから、3日間のすべてのセットの中で、1回だけしか演奏されなかったらしい。
しかし、この貴重な演奏もしっかり収録されている。
そして、このライブ版《サイドワインダー》は、ノリも、熱気も、スタジオで吹き込まれた端正なバージョンを遥かに凌ぐ出来だと思う。

モーガンのプレイも熱いが、テナーのベニー・モウピンのブロウもエキサイティング。
邪悪にくすんだフレーズが、尽きることなく溢れ出ている。ダークにブロウしまくる彼のソロもモーガンに引けを取っていない。

ピアノのハロルド・メイバーンのバッキングも、ギターの弦をかき鳴らすかのごとく、鍵盤をこねくり回している。
「熱狂」という言葉が、まさにそのまま当て嵌まる感じだ。

ジャズ・メッセンジャーズのときは、なんだか「モゴモゴ」としたベースだなと思っていたジミー・メリットの音も、ここでは、かなりクリアに聴こえる。
一説によると、エレクトリック・アップライトを使っていたらしいが、この時代に、エレクトリック・アップライト・ベースってあったっけ?

ミッキー・ロッカーの最初から最後まで煽りっぱなしの激しいドラムも、演奏を極限まで盛り上げている。

どの曲も演奏時間が10分以上と長いが、どれもが堰を切ったように、すごい勢いで演奏されているので、聴いていてまったく飽きることはない。
メンバー全員が一丸となって突進してゆく様は、さながら火の玉の如し。
火傷をしてしまいそうな熱い演奏に、聴き手は、ただただ打ちのめされるしかないのだ。

やっぱり、三枚組のセット買おうかな…。

(2002/05/16) 

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