TOWN HALL CONCERT (Jazz Workshop)
- Charles Mingus

  1. So Long Eric
  2. Praying With Eric

Charles Mingus (b)
Johny Coles(tp)
Eric Dolphy(as,bcl,fl)
Clifford Jordan(ts)
Jaki Byard (p)
Dannie Richmond (ds)

1964/04/04

ミンガスのアルバムの中では、これが一番の愛聴盤だ。
もっと言ってしまえば、『タウンホール・コンサート』というアルバムというよりも、《ソー・ロング・エリック》こそが、ミンガスの作品の中では、最も愛聴している曲なのかもしれない。

なんてスケールの大きい演奏、アンサンブル、アレンジなんだろう。
ミンガスの持つ世界観、音楽観、美意識、ユーモア、アイディアなどが《ソー・ロング・エリック》の一曲に凝縮されているといっても過言ではないぐらいだ。

妖しい光彩を放つジョニー・コールズのトランペット。
野太いサウンドで“オイシイ味”を惜しみなく提供する、クリフォード・ジョーダンのテナーサックス。
エリック・ドルフィーの、ウネりまくる、エキサイティングでスリル満点のプレイ。
なんでもござれの器用さと、重厚さとダイナミックさをも併せ持つジャッキー・バイアードのピアノ。
ミンガスのベースにピタッと寄り添う、ミンガスの第二の手足、ダニー・リッチモンド。

私は、彼らこそがミンガスにとってのベスト・メンバーなんじゃないかと思っている。
もっとも、彼ら各々が持つ個性は、かなり強烈でアクが強い。

しかし、彼ら、アクの強いプレイヤーの異なる個性を殺すことなく、一つのアンサンブルの中に溶け込ませているミンガスの手腕、リーダーシップはさすが。
なんの変哲もないブルースを、単なるジャムセッションとは一線もニ線も画する、聴き手を一瞬足りとも飽きさせない仕掛けと、局面の変化の連続にワクワクする。

イントロで、ミンガスが奏でるベースソロは、これから始まる演奏への期待感をたっぷりと高めてくれるし、たった3本の管楽器にもかかわらず、まるでビッグバンドなみの迫力と重厚さを醸しだすテーマも涙もの。

壮大、スケールでかし。
分厚く、迫力と期待感満点。

この《ソー・ロング・エリック》は、64年の3月に新たに結成されたミンガス・グループが、ヨーロッパツアーに旅立つ直前に、タウンホールで演奏されたもの。
NAACPという、黒人の社会的地位の向上をめざす団体主催の基金募集コンサートだ。

収録された2曲ともに、ヨーロッパでのライブでは何度も演奏されているし、そのときの模様の貴重な映像も出回っているが、やはり、私は結成最初期の段階に演奏されたテンションと集中力が異様に高い、このアルバムの演奏が一番好きだ。
(2003/06/12) 


神保町の明治大学の通り沿いにある「エチオピア」というカレー屋によく行く。
なぜかというと、自分の中にあるチャレンジ欲求が、ささやかながら満たされるから。

そう、この店はカレーの辛さを70倍まで選べるのですね。

その日の体調にもよるけれども、私は50倍から最高の70倍の間をオーダーしている。

カレーの辛さで、自分の好奇心とチャレンジ欲を満たすだなんて、なんともスケールの小さな話だなぁとお嗤いの方もいらっしゃるでしょうが、ハイ、スケール小さいです(笑)。

しかし、もちろんチャレンジということもあるけど、大前提は「旨いカレーを食いたい」な欲求が根底にあるのは言うまでもない。

いうまでもなく、この店のカレーはうまい。
べつに、50倍じゃなくてもうまい。

基本は旨いカレーを食いにいくこと。それにプラスアルファ、チャレンジングな要素が加わっているのですね。

ただ、やっぱり辛いほうが旨いかな。
辛くなればなるほど旨い。

とくに、20倍以上になってくると、だんだん「うーん、この店の味の本領発揮だなぁ」と感じてくるけれども、べつに20倍以下でも十分に、店のカレーの味のキャラクターは保っている。

で、この店に昼時にいくと、いつもかかっているのが、ミンガスの『タウンホール・コンサート』なのね。

1Fのカウンターには、JBやマーヴィン・ゲイのジャケットが飾られているので、店主あるいはオーナーの趣味はブラックミュージックだということは分かる。 しかし、大きくブラックミュージックのくくりの中でも、濃いミンガスを常時流しているなんて、あまりにお洒落すぎるぜ!(笑)

いやはや、このアルバム、私、大好きなんですよ。ミンガスの中では1、2を争うぐらい好き。
ドルフィーが参加しているということもポイントが高いが、もちろん、それだけではない。 重厚なアンサンブル、巨大なスケール感。
そして、各人のソロも皆、とんでもなくすばらしいのだ。

しかも、2曲しか収録されていないこのアルバムは、1曲の演奏時間が長い。

つまり、おいしいカレーを味わいながら、汗を額からたらしながら、
「今日はジャキ・バイアードのピアノがいいな」

「今日はクリフォード・ジョーダンのテナーが冴えてるな」

など、毎回、かかっている箇所が違うので、思わぬ発見もあったりして楽しい。
しかも、カレーを食べながらなので、さらに楽しい。

特に、今まではジョニー・コールズ(tp)とエリック・ドルフィー(as,bcl,as)のプレイばかりに耳を奪われていた私にとっては、クリフォード・ジョーダンのプレイがいかにミンガスの世界観を体現しているかということが、よ〜く分かった。

カレー様様、エチオピア様様だ。

しかし、ここのところ、50倍カレーと70倍カレーの辛さや香りの差がいまいちよく分からない。
一昨日頼んだ50倍のほうが、昨日食べた70倍より辛い気がするのは何故だ?

私の舌が麻痺しているから??
(2007/04/03) 

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