THE RETURN (Muse) |
| - Pat Martino |
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Pat Martino (g) Steve LaSpina (b) Joey Baron (ds) Recorded live at Fat Tusedays-NYC in February 1987 |
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パット・マルティーノというと、私の描く彼のイメージは、メカニカルなフレーズを速射砲のように正確に弾きまくる、まるでサイボーグのようなギタリスト。 一番最初に、打ち込みのように正確に16分音符を均等に弾き倒している《オレオ》を聴いたときは、「凄い!」と“感動”ではなくて“感心”した記憶がある。 もっとも、「打ち込み」というのは単なる「正確さ」を言いたいがための比喩で、彼の弾き出すフレーズには大き波とウネリがあることは言うまでもない。 誤解を恐れずに言えば、彼のギターは、タル・ファーロウのバージョン・アップ版。 タルの持つ、ピッキングのアタックの強さと太い音色を受け継ぎ、より一層モダンなフレーズを鬼気迫る勢いで弾きまくるギタリスト。これが、私が彼に抱いていたイメージだ。 しかし、このアルバム『ザ・リターン』でのパット・マルティーノは、ちょっと違う。全体的に暖くて円やかなのだ。 タイトルからも分かるように、病気療養からの復帰作だ(自分の名前さえも忘れてしまうほどの脳の病気だったとか…)。 マルティーノ・フリークに言わせれば、このライブの演奏は、復帰のためのリハビリのようなもので、かつての鬼気迫る正確なギターテクニックは影を潜めているため、もの足りない内容なようだが、私にとっては、そこが逆にリラックスして聴ける所以だと思う。 ここでのマルティーノは、正確にギターを弾き倒すだけのマシーンではない。 どこか暖かみのある、リラックスして聴ける内容なのだ。 演奏のちょっとしたところの「緩み」が、良い意味で、聴き手の緊張感を緩和させてくれる暖かさがあるのだ。 《スリップバック》や《ターンパイク》のようなスリリングな高速テンポに乗って、途切れることの無いスリリングなソロを弾きまくる演奏においても、「凄さ」と同時に「暖かさ」も私には感じられる。 病気による療養期間が、彼のギタープレイにどこまで影響を与えているのかは測りかねるが、この復帰作は、長期引退前の彼とは違う表情を感じ取れる。
個人的なベストは、 心地よいミディアムテンポに乗って、歌いまくる《ドゥ・ユー・ハヴ・ア・ネーム?》。 |
| (2002/06/27) |
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