STANDARD ZONE (Venus) |
| - Brian Mervin〜featuring Jaco Pastorius |
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Brian Mervin (ds) Jaco Pastorius (b) Jon Davis (p) 1986/11月 |
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ジョン・デイヴィスのピアノが好きだ。 彼の和音の響きは、モダンで現代的だ。ただし、ハンコックほど鼻をつまむほどのきついテンションではなく、ちょっとした緩さと暖かさが持ち味。 また、リズムのノリ方もいかにも現代風。昔のスタイルのようにバウンスはあまりせず、どちらかというと直線的なノリだ。 ただし、リズムのノリ方には少し甘いところがある。
しかし、そこが良い。
私がジョン・デイヴィスを知ったのは、ブライアン・メルヴィンのアルバムを聴いたときだ。 『ナイト・フード』は、ジャズ評論家の岩浪洋三氏が激褒めしていたアルバムで、氏は東京から大阪へ移動中の車の中で、このアルバムばかりを繰り返し聴いていたそうだが、私の場合はどう聴いても散漫な演奏と編集のアルバムにしか聴こえない。
もちろん、ジャコのベースは「凄い!」と唸るほどの斬れ味を見せる箇所もあるが、トータル的に見ると、様々な切り口の演奏が散漫に収録されているようにしか感じられない。
ジャコと交流のあったジャーナリスト、ビル・ミルコウスキーが著した『ジャコ・パストリアスの肖像』という伝記を紐解くと、晩年のジャコは、麻薬とドラッグで心身ともにボロボロの状態だった。 先述した通り、精神も肉体も不安定なジャコを使って、なんとか一枚分の作品を作り、かつ、リスナーにも飽きられない内容にするためには、フォーマットと切り口を変える必要を感じたのだろうか。
女性コーラス入りの曲だったり、シンセサイザーのサウンドを前面に押し出したサウンドだったり、メルヴィンのドラムとジャコのベースのデュオだったりと、あれこれと切り口を変えた曲が収められている。
しかし、私がこのアルバムの中で、「おっ!?」と耳がピクリとなった箇所はいくつかある。
この曲、テーマ自体は何の変哲もない、ありがちでキャッチーなメロディだが、その後にすぐ登場するジョン・デイヴィスのピアノが何とも鮮やかで心地よかった。 『ナイト・フード』は、ボロボロのジャコに色々な曲を、色々なアプローチで演らせて、立ち直りの機会を作り出そうというメルヴィンの涙ぐましい努力の結晶だが、このアルバムと同様に、“ジャコ救済策”として録音されたものが『スタンダーズ・ゾーン』だ。
ただし、『スタンダーズ・ゾーン』は、『ナイト・フード』とは違い、非常にバランスのとれたアルバムだと思う。
もっとも、バリバリのジャコ・ファンからしてみれば、「こんなに大人しいジャコはジャコじゃないよ、全盛期のジャコはもっと凄かったんだから」ということになってしまうのかもしれないが。
そして、結論は「良い」。 力強いピッキング。輪郭のしっかりしたフェンダーのジャズベースならではの音。しかも、オールドベース特有の、腰があって芯のしっかりとした音色は、ベーシストだったら誰もが一度は憧れるのではないだろうか?
レイ・ブラウンは、『ベースマガジン』というベース専門誌のインタビューで、「エレキベースに4ビートは似合わない」と言っていたが、ジャコの“エレキ4ビート”を聴くと、そんなことは全然無いじゃないかと思う。
ジャコの落ち着いたプレイも印象的だが、やはりジョン・デイヴィスのピアノが素晴らしい。 |
| (2002/11/06) |
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