NO IDEA (DIW) |
| - Misha Mengelberg |
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Misha Mengelberg (p) Greg Cohen (b) Joey Baron (ds) 1996年 |
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1996年に吹き込まれたミシャ・メンゲルベルクのトリオは、一言で言ってしまえば、「フリー系の頑固オヤジ奏でる、難解過ぎない含蓄あるピアノ」だ。 緊張感に満ちた尖った部分と、それを吸収するかのような、柔和な表現がバランスよく入り混じり、 「メンゲルベルク→ヨーロッパのフリー系ピアニスト→難解そうだ」 という先入観を見事に払拭してくれる。 ミシャといえば、エリック・ドルフィーの『ラスト・デイト』においての素晴らしいサポートぶりをご記憶の方も多いと思うが、『ラスト・デイト』での“曇り空なモンク”を期待すると少しだけ肩すかしを食らうことだろう。 こちらのトリオでの演奏は、どんよりとした曇空っぷりは薄れておりピアノの切れ味はシャープだ。 一曲目を除けば、すべて既成曲。 エリントンの曲あり、ハービー・ニコスルの曲あり、はたまたドルフィーとの共演曲でもあった《ユー・ドント・ノウ・ホワット・ラヴ・イズ》ありと、耳になじみのある曲が多いだけに、ミシャの語り口の独特さがかえってよく分かる。 ミシャらしいなと感ずるところは、やはり独特なノリだろう。 ポツンポツンと音をつんのめらせながら、音を中空に置いてゆくニュアンス。音符を流麗に流さないところが、聴き手の気持ちに引っかかりを残し、演奏内容をより印象的なものにする。 このカクカクとしたノリも相まって、いつのまにか聴き手をはぐらかし、いつしかか元に戻っているような、一筋縄ではいかない頑固オヤジのストーリー・テリングが楽しめるのだ。 決して難解な演奏でもなく、ヨーロッパのフリー系特有のガチガチに肩の凝る演奏内容でもない。(ただし訥弁的なリズムのノリかたには肩が凝る人も出てくるかもしれないが)。 固いところは固く、解れるところは解れて。緩急のバランスが見事なピアノと、生硬なリズム隊のサポートは、聴きごたえ十分。 控え目ながらも、というよりミシャのピアノの語り口があまりに独特ゆえにあまり目立たないだけなのかもしれないが、よく聴くとベースのグレッグ・コーエン、ドラムのジョーイ・バロンの両者はともに良いサポートをしていると思う。 独特な語り口のミシャのピアノに引きずられ過ぎずに、うまく引き立てている。 一度聴いただけでは分からない世界かもしれないが、何度も聴いているうちに、少しずつ、うすいベールが1枚、1枚はがれてゆく楽しみがある。そんなアルバムが『ノー・アイディア』だ。 |
| (2009/02/18) |
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