MINGUS PLAYS PIANO (Impulse) |
| - Charles Mingus |
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Charles Mingus (p) 1963/07/39 at RCA Studios,New York City |
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ベーシスト、チャールズ・ミンガスのピアノ・ソロ・アルバムだ。 ミンガスのピアノは、“ベーシストの余芸”といった域にとどまらない不思議な味わいがある。 私は、これを聴くたびにセロニアス・モンクの『セロニアス・ヒムセルフ』を思い出す。 聴衆に向かって弾かれるというよりは、自己の内面と対峙するかのような思索的な演奏。 一つの曲が10本の指によって構築されてゆく過程を同時体験するようなスリリングな悦びが味わえる。 ベーシストとしての並々ならぬ力量はもちろんのことだが、私はむしろ作曲者としてのミンガスの実力を買っている(ジャコ・パストリアスも同様だ)。 というのも、彼の生み出す、摩訶不思議で重厚なハーモニーは、アクが強いが、トンコツラーメンと同様、慣れると、これほどクセになってしまうものもないからだ。 もちろん、この濁った分厚さは、エリントンからの影響だが、エリントンの貴族チックな濃厚さとは違い、ミンガスの濃厚さは、もっと野性的なアクの強さが漂っているように感じる。 このアルバムの魅力は、彼が弾くピアノを通して、ミンガス・ミュージックの秘密が覗き見れるような気分になれること。 たとえば、《オレンジ色のドレス(Orange Was The Color Of Her Dress,Then Silk Blues)》。 分厚くムーディなハーモニーと、不思議なメロディ、そして演奏速度の緩急など、いたるところで一筋縄ではいかない仕掛けがほどこされた曲だ。 このアルバムでも、《オレンジ色のドレス》が演奏されている。 ピアノ1台だけの演奏を聴くと、この不可思議な構造の曲の秘密を覗き見ような気分になり、とても興味深い。 この曲は、管楽器のアンサンブルのバージョンを聴くと、見る角度によって、色が変化する絵のように感じるが、ピアノ一台だと、黒の部分が強烈に出たコントラストのキツいモノクロ写真を見る思いだ。 このアルバムの聴き方を参考までに。 夜がいい。 照明は落としたほうがいい。 落ち着いた気分のほうがいい。 度数がキツめの酒がいい。 飲み方はロックがいい。 キツメの酒をロックであおりながら、武骨な男(=ミンガス)と語らう。これがいい。 キツめの酒は、たとえば、バーボンがいい。 それも、棒を切ったようにブッキラボウな“オールド・クロウ”なんかがよく似合いそうだ。 骨太で、無愛想ながらも、じっくり付き合うほどに味が増してくる酒とピアノ。 アクは強いが、深い味わいも感じてくるはずだ。 時間をかけて。少しずつ染み入るように。 |
| (2004/05/27) |
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