IT'S TIME (Blue Note)
- Jackie McLean

  1. Cancellation
  2. Das' Dat
  3. It's Time
  4. Revillot
  5. 'Snuff
  6. Truth

Jackie McLean (as)
Chaeles Tolliver (tp)
Herbie Hancock (p)
Cecil McBee (b)
Roy Haynes (ds)

1964/08/05

正直に告白すると、最初はこのアルバム、あまり好きではなかった。

たとえば、タイトル曲のテーマのアンサンブル。
ピアノとサックスとトランペットの音程が、かなり外れまくっているので結構気持ち悪く感じたのだ。

もちろん、多少の音程の差ならば、心地よさとして響くことも多いのだけれども(たとえば、ブギウギピアノなんかがそうだ)、この曲のマクリーン、ハンコック、チャールス・トリヴァー、セシル・マクビーらの音程の不一致っぷりは、一番最初に聴いたものには、強烈なインパクトを残す。
ま、犯人は、リーダーのマクリーンなんだけどね(笑)。

強烈なインパクトゆえ、気になって聴いているうちに、この音程の不ぞろいっぷりが気持ちよくなってくるから不思議だ。

なんだか、大阪から東京に進出してきたラーメン屋の「神座(かむくら)」みたいだ。

渋谷店のガラスには、大きな張り紙が貼られて、正確には覚えてないんだけど、

一回目→なんじゃこりゃ?(どこにもない味だから)
二回目→気になる
三回目→クセになる

といった内容が書かれて、通行人の注意を引いているんだよ。

だから、私は、この暴
力的に「!」の多いジャケットを見ると、発作的に「かむくら」のラーメンの中の白菜やら豚肉を思い出してしまうのだ。

「神座」は、いまだにクセになるほど、通ってはいないけれども(マズいわけではないが、東京にはもっともっと旨いラーメン屋が無数にあるからね、どうしても相対評価が下がってしまうのだよ)、『イッツ・タイム』の「なんじゃこりゃ?」は、「クセになる」に昇格した。

今となっては、滅茶苦茶気に入っているわけではないのだけれども、ときどき思い出すと、猛烈に聴きたくなる一枚となってしまいました。

セシル・マクビーという強靭な指で、ガッシリとした低音を奏でる持つベーシストに、音は素早く軽いが、グルーヴは重たいロイ・へインズ、それに、みずみずしい感覚を演奏に常に持ち込むハンコックと、メンバーの組み合わせも、珍しく、かつ、おいしいアルバムだが、マクリーンは、やっぱりいつものマクリーン。

新しいことやろうとしている意気込み、熱気は買うけれども、ちょっとこのアルバムでは空回りかな?

しかし、このやる気と内容が伴ってない、ちょっと気持ち悪いアンバランスさ加減は、きちんと上記リズム隊が補い、さらに補うどころか演奏を最大限に盛り上げているという、サイドマンが頑張って演奏を盛り上げちゃっている奮闘っぷりも、このアルバムのちょっと通な聴き方ではある。

ハンコックファンにはイチオシ。 チャールス・トリヴァーやセシル・マクビーなど、絶妙な黒さ加減をたたえる音が好きな人にもイチオシ。
(2010/06/26) 

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