HAT TRICK (Blue Note) |
| - Jackie McLean |
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Jackie McLean (as) 大西順子 (p) Nat Reeves (b) Lewis Nash (ds) 1996/01/28-31 |
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ジャッキー・マクリーンは、晩年と昔の演奏比較すると、随分と音色も吹き方も変わっているようだ。 息をたっぷりと楽器に吹き込んで、ワイルドで太い音を鳴らすスタイルに変化してきている。 老いてますますパワフル。この意気込みは心地よい。 しかし、それと引き換えに、フレーズの隅々に漂う“哀感”がいささか希薄になってきていることも否めない。 「ぶーーーーー」と一本調子なぶん、いかんせん小回りとデリケートさに欠ける気がするのだ。 たとえば、《コテッジ・フォー・セール》のようにシンミリとしたバラードにまで、張り切って「ぶぎゃー」と、真鍮製のアルトサックスのボディ全体を響かせまくる必要があるのだろうか? しみじみと聴きたい曲なだけに、ちょっと騒々しく感じてしまうのは私だけだろうか? このアルバムのもう一人の主役は、言うまでもなくピアノの大西順子だ。 バッキングは無難であまり面白くないが、曲によっては傾聴に値するソロを弾いている。 《ソーラー》における、彼女お得意の低音域のガンガン奏法は、相変わらずの迫力で, 「もっとゴリゴリ行け!」と、思わず身を乗り出してしまうほど。 また、《ウィル・ユー・スティル・ビー・マイン》のソロも、個人的にはお気に入りだ。 《イフ・アイ・シュッド・ルーズ・ユー》のテーマの一部を巧みに織り交ぜながら、バランスの取れた構成のソロを展開している。 テイストも懐かしのハードバッピッシュなフレヴァーと、現代風なリズムの乗り方で、聴きどころのあるソロを展開していると思う。 しかし、彼女のこのようなスタイルがジャッキー・マクリーンと相性が良いかというと、それは疑問。 彼女のように存在感のある「立つ」ピアノを弾く人は、ピアノトリオのほうが似合うんじゃないかと、個人的には思っている。 《センチメンタル・ジャーニー》、《レフト・アローン》など、彼の人気曲の再演は、ファン・サービスといったところか。 他にも《リトル・メロネー》や《ブルースニク》など、彼が若かりし日にブルーノートに吹き込んだ曲も再演している。 しかし、一番の人気曲《レフト・アローン》においては、聴くべき新しい感動を呼び起こすまでには達していず、企画物の域を出ていない出来な気がしてならない。 大西順子のピアノは、マル・ウォルドロンを意識し過ぎ。しかもマルの表現の表層をなぞっているだけで、「寡黙っぽい」雰囲気の演出に終始している。 当然、彼女のピアノには心を打つ要素には乏しいし、内容も、あるようで、無い。 マクリーンのサックスも、残念ながら往年の感動を呼び起こすにはいたっていない。まぁ、これは仕方の無いことなのかもしれない。 もう一つの人気曲《センチメンタル・ジャーニー》では、新しい試みがいくつかなされている。 一つに、曲のキーが変わっていること。 もう一つは演奏のテンポをさらに落とすことによって、より一層気怠さを増したアレンジになっているということ。 この試みは成功しているんじゃないかと思う。 プレスティッジの『4,5&6』とはまた違った新しい《センチメンタル・ジャーニー》を楽しめる。 顔合わせの面白さと、話題性で、買う時の期待感を「10」だとすれば、耳を通して抱く感想は、「7」というところか。 しかし、過大に期待さえしなければ、それなりに楽しめるアルバムなことも確かだ。 全体を通しで聴くよりも、自分の好きな曲や演奏箇所を見つけて“部分聴き”をするほうが楽しめるような気もする。 ハッと身を乗り出すオイシイ瞬間も、たくさんあるのだから。 |
| (2002/10/08) |
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