EAST! (Prestige) |
| - Pat Martino |
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Pat Martino (g) Eddie Green (p) Ben Tucker (b,tambourine) Tyrone Brown (b) Lennie BcBrowne (ds) 1968/01/08 |
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10分を越す長尺演奏。 そしてなんだか荘厳っぽいイントロや、ジャケットのビジュアルから、胡散臭い印象を抱かれても仕方がない。 東洋趣味に目覚めたガイジンが、アッチの世界にいっちゃってる、なんだか安っぽいハリボテ感がムンムンと漂う抹香臭いアルバム。 このようなイメージを持たれる方もいるんじゃないかな? しかし、安心めされい。 「あっちの世界」な演奏は、タイトル曲のみ。 残りの曲は、ギター好きにはたまらない“フツーにスゴい”マルティーノによる、正しくマルティーノな演奏を楽しめる内容となっている。 正確なツブ立ちによる、執拗なまでの8分音符、16分音符を連射してゆくピッキングは、ギタリストならば口をアングリ、ギターをやっていない人だって、このストイックなまでに正確な音符を羅列してゆく職人技と、フレーズの心地よさに引き込まれてしまうこと請け合いだ。 ミディアムテンポで、少ない音数から次第に熱を帯びてきて、気が付けば、いつのまにか正確な8分音符の嵐状態となっている《トリック》。 それに、コルトレーンの名曲《レイジー・バード》で曲の髄を抽出して、気持ちよく再構成、かつ疾走しているが、マルティーノのアタックと腰が強いくせに、どこか丸やかで暖かみのあるシングルトーンは本当に気持ちが良い。 先日、とあるバーでこのアルバムをかけてもらった。 もちろん1曲目は省略して2曲目から。 そこに、たまたまジャズギターを弾くオジさんがやってきたのですよ。 昔はプロで活動していたという方なので、腕はそこそこある。 《トリック》のテーマを聴きながら、「いいねぇ、これならオレでも余裕で弾けるよ」って顔をしていたんだけれども、曲の中盤にいくにしたがって、どんどん音数が増え、少しずつ難易度の高そうなフレーズも出てくるわけ。 演奏が複雑化するにしたがって、そのオジサンの表情がみるみる青ざめ、無口になってゆき、最後はボーっと虚脱状態に(笑)。 まさか、パット・マルティーノに対抗心を燃やして聴いていたわけではないと思うんだけれども(いや、もしかしたらその気はあるかもしれない。なにせ、いつも音楽を聴くたびに「これは出来る・あれは出来ない」と言っている人だから)、彼の圧倒的なシングルトーンの嵐は、生半可な自信を持った自称ジャズギタリストの鼻をポキンと折るだけの破壊力は軽くあるのだなぁと感じた瞬間。 マルティーノはミュージシャンズ・ミュージシャンなところがある。 彼の正確なピッキング、ジャストなリズム感、暖かみのある太い音色、複雑ながらもカッコ良いフレージングは、ギターをやっている人にとっては、分かりやすい目標の到達点の一つなのだろう。 ギタリストの「あれが出来るといいな」「ここがもっとこう弾ければいいな」という願望を、具体的な音で示しているのだろう、彼に憧れるギタリストは少なくない。 しかし、ギタリストだけのためのギタリストにしておくには勿体無い。 私のようにギターをやっていないリスナーにとってもオイシさに満ちたギタリストなのだ。 まぁ、聴いてみてください。圧倒されると同時に、気持ちよさもあるから。 この『イースト』なんか、マルティーノ入門の1枚目にオススメです。 冗長で荘厳っぽいけれども、中身はそれほどでもない1曲目は飛ばして2曲目からどうぞ。 ベン・タッカーのベースもこのアルバムの色合いにはピッタリ! |
| (2007/06/23) |
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