DOWN WITH IT (Blue Note) |
| - Blue Mitchell |
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Blue Mitchell (tp) Junior Cook (ts) Chick Corea (p) Gene Taylor (b) Al Foster (ds) 1965/07/14 |
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チック・コリアや、アル・フォスターの参加が目を惹く作品だ。 彼らの参加によって、従来のハードバップ的な“まったりした重さ”とは一線を画する“ちょっと新しい感覚”に彩られた作品でもある。 とはいえ、主役はあくまで、ブルー・ミッチェルのトランペット。 相方のテナーがジュニア・クックということからも、ホレス・シルヴァーのグループを彷彿とさせるフロントラインは、ハードバップ特有の暖かな厚みも勿論健在している。 当時流行りのジャズロック路線の《ハイヒール・スニーカー》が冒頭を飾る。 景気の良い8ビートが全開。アル・フォスターの叩き出すジャズロック的8ビートは、《サイド・ワインダー》のビリー・ヒギンズに比べると、じゃっかん横揺れの要素がなくなった代わりに、脇の締まったタイトなリズムを叩き出す。 スネアをイーヴンに連打するフィルインなど、ロックの8ビートのフィーリングに近い。 2曲目の《パーセプション》は、ジャッキー・マクリーンとウディ・ショウの名演《スイート・ラヴ・オブ・マイン》(『デーモンズ・ダンス』に収録)を彷彿とさせる曲調。 リズムフィギュアも《スイート〜》に近いし、漂う肉厚な哀愁も同様。 もっとも、マクリーンの『デーモンズ・ダンス』は、この録音の2年後なので、もしかしたら、マクリーンやウディ・ショウは、この曲を聴いていたのかもしれない。 と、1曲目、2曲目までは、当時の流行をふんだんに取り入れたリズム、サウンドとなっており、アルバムの冒頭は“新しさ”でリスナーにアピールしようという試みなのだろう。 しかし、本音は3曲目から。 バラードの《アローン、アローン&アローン》だ。 この伸びやかで切ないトーンこそがブルー・ミッチェルの本領。彼の持ち味が十分に発揮された名演奏だ。 1回、2回の鑑賞では、曲の輪郭が掴みづらいかもしらないが、何度も聴いてみよう。きっと染みてくる。 同じく、肩肘張らずに、ミッチェルの歌心が発揮されたのが《マーチ・オン・セルマ》。 コルトレーンの『コルトレーン・タイム』(或いはセシル・テイラーの『ハード・ドライヴィング・ジャズ』)のブルース《シフティング・タイム》とそっくりのメロディのブルースだ。 作曲者は、たしかケニー・ドーハムだったから、もしかしたら、この繰り返されるフレーズはトランペッター的な発想から生まれたメロディの断片なのかもしれない。 タイトルにはマーチとつくが、横よりも縦のノリが強調された4ビートだ。 冒頭の2曲、そして、ラストのボサリズムの《サンバ・デ・ステイシー》と、このアルバムには、いくつかの4ビート以外のリズムの試みもあり、アルバム全体が単調にならないような選曲となっている。 しかし、私としては、バラードの《アローン、アローン&アローン》や、ブルースの《マーチ・オン・セルマ》の演奏に、洗練された歌心の持ち主、ブルー・ミッチェルの本領を見る思いだ。 《アイル・クローズ・マイ・アイズ》でのほんのり切ないブルー・ミッチェルのトランペットを期待されている方は、どうか1曲目のジャズロックに驚き聴くのをやめたりはせず、是非、最後までじっくりとつきあっていただきたい。 ミッチェルが持つ“ほのかな哀愁”は、きっと感じ取ることが出来るはずだ。 |
| (2007/10/06) (加筆修正 2010/01/23) |
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