DESPERADO (Prestige) |
| - Pat Martino |
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Pat Martino (12strings guitar) Eric Kloss (ss) #1 Eddie Green (elp) Tyrone Brown (elb) Sherman Ferguson (ds,bells) 1970/03/09 |
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すべてのギター小僧よ、瞠目せよ! ロック・フリークよ、おそれおののけ! これぞ、驚愕のギター、速弾きの真髄、正確無比のピッキング、エレキギターのテクニックの極北だ! ギターの鬼才、パット・マルティーノ。 彼の代表作は?と問われれば、まずは『デスペラード』を真っ先に挙げたい。 彼のギターは、超人的なテクニックを誇りながらも、決して無機質な演奏にはならない畳み掛けるような躍動感がある。 さらに、テクニックの極限まで行き着いてしまった者がギラリと放つ、得体のしれない殺気もあり、そのへんの雰囲気は、必ずやロック・フリークのハートをも鷲づかみにすることだろう。 殺気だけではない。 暖かく腰の強い音色で、まるでハイウエイを突き抜けるような疾走感もある。 この心地よさがたっぷりと味わえるのがパット・マルティーノの『デスペラード』なのだ。 そうそう、ハイウエイといえば、私がこのアルバムを初めて聴いたのは、高速道路の上でだった。 パット・マルティーノ・フリークのジャズ研時代の先輩ギタリストの車に乗せられて埼玉県のライブハウスにジャムセッションに出かけた折のこと。 カーステレオから、心持ち大きめのボリュームで流れてきたのが、『デスペラード』だった。 60年代後半から70年代にかけてのロックの多くに感じられる匂い立つような「怪しいテイスト」や「サイケなフレヴァー」をふりまく《ブラック・ジャック》を聴きながら、私は大笑いしてしまった。 演奏に笑ったわけではない。 いかにもな先輩の趣味に笑ってしまったのだ。 「あっやしいなぁ。そういえば先輩は、ドアーズとかベルベット・アンダーグラウンドとか、昔のロック好きでしたもんね」などと笑っていた私。 先輩の趣味も相変わらずだよなぁ、と。 しかし、3曲目の《オレオ》が流れる頃は、その圧倒的な疾走感とテクニックに顔面が凍りつく思いだった。 いや、それはちょっと大袈裟な表現なんだけれども、驚きで口をぽっかり空けていたのは確実だった思う。 メカニカルなフレーズを一部の隙も無いほど正確に、シャープに弾きこなすテクニック。 しかも音も太く、圧倒的な眩暈がするほどのうねりを見せながらギターが疾走しているのだ。 この疾走感と、高速道路の移り行く単調な景色が絶妙にシンクロして、軽いハイウエイ・ヒプノシスすら起こしそうな気がした私。うん、助手席で良かった。この《オレオ》は、高速道路にはマッチし過ぎるがゆえに危険な演奏だ、と当時は思った記憶がある。 このアルバムでのマルティーノは12弦ギターを使用している。 ギター本体ゆえなのか、それともアンプのセッティングゆえなのかは、あまりギターに詳しくない私には分からないが、このアルバムでのマルティーノのギターは、軽くフェイザーがかかり、ほんのりとディストーション(歪み)の加わった音色となっている。 この音色が、正確な16分音符で奏でられる1音1音の表情をより豊かにしている上に、気分を高揚させる効果もあると思う。 ストイックなまでに技術を追求すると、こんなにもスリリングで聴覚を刺激してやまないサウンドが生まれるのだという好例の一つだろう。 ギタリスト必聴のアルバム。と同時に、ギタリストではない方にも、行くところまで行ってしまったギター弾きの恐るべき表現力に耳を傾けて欲しいと思う。 |
| (2005/03/05) |
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