CARMEN SINGS MONK (Novus) |
| - Carmen McRae |
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Carmen McRae (vo) Clifford Jordan (ss &ts);studio tracks only Charlie Rouse (ts);live tracks only Eric Gunnison (p);studio tracks only Larry Willis (p);live tracks only George Mraz (b) Al Foster (ds) 1988/04月 |
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このアルバムが発売された時は、かぶりつくように聴いていた。 今でもたまに聴くが、やはり、かぶりつくように聴いている。 全曲セロニアス・モンクの曲をカヴァーしたアルバムで、モンク好きにとっては、嬉しいアルバムだ。 しかも、単にモンクの曲を歌っているだけではなく、モンクへの深い敬愛の念も感じとれる。 カーメンとモンク。共演盤はないが、親交はあった。 モンクのドキュメンタリー・フィルムで、彼女のインタビューを見たことがあるが、住んでいるところも近く、彼らは、非常に仲が良かったようだ。 モンクの曲は、面白くて魅力的な曲が多いが、歌の素人が聴いても、歌いにくそうな曲がばかりのような気がする。 それでも、歌詞をつける人はいるもので、《ルビー・マイ・ディア》と《ストレート・ノー・チェイサー》にサリー・スウィッチャーが、《ウェル・ユー・ニードント》と《アグリー・ビューティ》にマイク・フェロー、残りの歌すべてに、ジョン・ヘンドリックスが歌詞をつけている。 それを、あたかも自分の歌のように歌いこなしてしまっているカーメン・マクレエ。 このアルバムの発売時、店頭で曲名をチェックしたときに、こんな曲まで本当に歌えるのか!?と訝しく思った記憶がある。 しかし、こちらの心配をよそに、カーメンは見事にモンクの曲を歌いきっている。それどころか、彼女の歌唱からは、余裕すら感じられる。 初めて聴いたときは、「なるほど!」と、目からウロコが落ちる思いだった。 私はカーメンの歌唱からは、時折無愛想な素っ気なさや、ドスの効いたぶっきらぼうさを感じることもあるが、ここではそういった歌唱がプラスに作用しているのではないかと思う。 まるで、彼女のために書かれたんじゃないかと思うぐらい、モンクの曲がよく似合うのだ。 特に、《ルビー・マイ・ディア》の堂々とした歌いっぷりはどうだ。 個人的に大好きなこの曲だが、カーメンが歌うと、この美しい曲が、さらに深みが増してくるような気がする。 少なくとも、コルトレーンやラウズがテナーでこの曲を吹いたものよりも、カーメンのこちらのバージョンのほうが、ずっと素晴らしい仕上がりになっているのではないかと思うぐらいだ。 歌では《ルビー・マイディア》を愛聴しているが、ベースでは、《ストレイト・ノー・チェイサー(ゲット・イット・ストレイト)》を愛聴している。 そう、このアルバムのもう一つの聴き所は、ジョージ・ムラーツのベースなのだ。 彼のベースの、伸びのある温かな音色、そして時おり見せる遊び心。 彼のファンとしては、全曲通して「く〜、やってくれるぜ!」を連発してしまうプレイの連続なのだ。 「ベーシスト耳」ゆえなのだろうが、時として、カーメンの歌よりも、ムラーツのベースラインのほうに耳が吸い寄せられてしまう状態が続き、「いかん、いかん、もっとヴォーカルも聴かなければ」と、我に返ることもしばしば。 もちろん、主役を喰うようなベース・プレイはしていないのだが、ベーシストにとっては、とても参考になるラインと音色なのだ。 特に、ライブ・バージョンの《ストレイト・ノー・チェイサー(ゲット・イット・ストレイト)》」最高だと思う。 イントロのベース・ソロが格好いい。 テーマは、カーメンとのデュオで、うまい具合にハモっている。 そして、ベース・ソロのパートでは、必殺・上昇フレーズ! ピアノも遅れてこのフレーズを追いかけるが、その瞬間のカッコいいこと! 憎たらしいぐらいにキメてくれる瞬間だ。 この一曲だけでも、ジャズのベースをやっている人は聴く価値があると思う。 また、チャーリー・ラウズがテナーで参加しているのも感涙もの。 ライブ・バージョンのみの参加だが、やはり、ラウズ独特の音色とフレーズにこのような形で接することが出来るのは嬉しい。 ラウズは、言わずとしれた、モンクと長い間活動を共にした、いわばモンクの女房役とでもいうべき人。 彼はこの録音の数ヶ月後に亡くなっているので、これが彼の最晩年のプレイなのかと思うと、熱いものがこみあげてくる。 カーメン・マクレエの67歳のときの録音。 年齢などまったく感じさせない歌唱力、表現力、深み。 そして、サイドマンの奮闘ぶり。 まぎれもない傑作だ。 |
| (2002/06/20) |
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