BLUE'S MOODS (Riverside)
- Blue Mitchell

  1. I'll Close My Eyes
  2. Avars
  3. Scrapple From The Apple
  4. Kinda Vague
  5. Sir John
  6. Whe I Fall In Love
  7. Sweet Pumpkin
  8. I Wish I Knew

Richard "Blue" Mitchell (tp)
Wynton Kelly (p)
Sam Jones (b)
Roy Brooks (ds)

1960/08/24 & 25

なんといっても、一曲目の《アイル・クローズ・マイ・アイズ》だろう。
明るさの中にも、ほんのりとセンチメンタルさの漂う素敵なメロディを、あくまでも、朗々と吹くミッチェル。
この演奏で、『ブルーズ・ムーズ』を好きになった人は、きっと私だけではないと思う。

彼のラッパは、高音域をヒットしたりするような派手な奏法はほとんど無い。
むしろ、中音域を多用し、あくまで淡々とした中に情緒を絡ませるのが、彼の持ち味だ。
特に複雑なこともやらず、あくまでシンプルさと、ストレートを身上とするスタイルだと思われる。
そこが、一度こちらの琴線に触れると、たまらないほどの魅力を感じるようになるのだ。

ブルー・ミッチェルは、ホレス・シルバーのグループへの加入から一躍脚光を浴びたトランペッターだ。シルバーのリーダー作からも、彼独特のほんの少し哀愁を帯びた音色と、ストレートなプレイを聴くことが出来る。
このアルバムもシルバー・クインテット在籍時にレコーディングされたものだ。

『ブルーズ・ムーズ』というタイトル通り、明るさの中にも、ほんのりとブルーなムードで曲を彩る彼のトランペット。
そして、なんの衒いもなく伸びやかなフレーズが気持ちよい。

イキの良いウイントン・ケリーのバッキングも見逃せない。
もし、この演奏のピアニストがケリーでなければ、もしかしたらこの演奏の魅力は半減していたかもしれない。

心躍るイントロ、小粋に煽るバッキング。
ミッチェルは、おそらくケリーのご機嫌なピアノによって、リラックスすると同時に、普段の120%の実力が引き出されたのではないかと勘ぐってしまうほど、それほどケリーのピアノの貢献度が高いのだ。

もちろん《アイル・クローズ・マイ・アイズ》以外もご機嫌なナンバーが続く。
とても素直で真っ直ぐで、そして何度聴いても深い味わいを与えてくれるアルバムだ。
(2002/09/18) 

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