AFTER GLOW (Decca) |
| - Carmen McRae |
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Carmen McRae (vo) Ray Bryant (p) Ike Issacs (b) Spabes Wright (ds) 1957/03/06 #1-4,7,8,11,12 1957/04/18 #5,6,9,10 |
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カーメン・マクレエは、初めて聴いて、一発で虜になるような歌手ではないと思う。 ビリー・ホリデイのような声そのもののインパクトもなければ、 サラ・ヴォーンのような掴みの良さもなく、 ちょっとツッケンドンな印象すらある。 エラ・フィッツジェラルドのようなキャッチーさも、もちろんない。 初めて聴いて、聴き手との距離が一気に縮まるようなタイプではないのだ。 だから、優れた芸術作品の多くがそうであるように、受け手自らが、対象に近づき、距離を縮める努力をしなくてはならない。 かつて私は、『アフター・グロウ』をそれこそ1日に4〜5回、それも10日間ぶっつづけで聴くことによって、自ら、カーメンとの距離を縮める努力をしたことがある。 そして、ある日、突然、アルバムの中のカーメンは私に微笑んだ。 堰を切ったように、一気にドバーッと私の心にカーメンの表現が流れ込んできた。 これを機に、一気にカーメン・マクレエの一種独特な表現を味わえるようになった。 そういった意味では、やはり『アフター・グロウ』は、数あるカーメンのアルバムの中でも思い入れの深い盤だ。 聴けば聴くほど味わい深い。 さり気なく歌っているのに、さり気なさの向こうに広がる奥行きは深い、深い。 この細やかな情感、さりげなさのなかに多大な神経が遣われているであろうキメの細かさ。 カーメンの表現力は並大抵ではない。 しかも、この1957年、つまり35歳のときのカーメンの歌声は若い! 知的で、ちょっと堅物な要素も混じるカーメンの歌唱だが、落ち着きの中にも華やぎもブレンドされており、このバランスが絶妙。ゆえに、楽しめ、ゆえに、何年も飽きずに聴き続けられるだけの深みがあるのだ。 伴奏のレイ・ブライアント・トリオも、気持ちよくムーディにカーメンをサポート。 このトリオは、そうです、名盤『レイ・ブライアント・トリオ』の3人ですね。 『アフター・グロウ』を吹き込んだ直後にレコーディングされた『レイ・ブライアント・トリオ』は、他のブライアントの諸作と比較すると、しっとりとした味わいが特徴的なアルバムだ。 この「しっとり感」は、カーメンの歌伴で培われたデリケートでナイーブなタッチなのだろう。 ちなみに、ベースのアイク・アイザックスは、カーメンの元旦那。 ベースのネックで顔半分を隠しているジャケ写の彼の出で立ちは、なかなかダンディだ。 そのダンディさが彼のベースにもそのまま表れている。 控えめだが、決して外さない重心の低いベース。裏方に徹したプレイは、ベーシストの鏡だ。 アルバム中4曲はカーメン自らがピアノを弾いている。ピアノも彼女は巧く、ムードたっぷりな弾き語りを披露。 《ドリーム・オブ・ライフ》は、そのうちの1曲だが、この曲は、カーメンが16歳のときに作ったもの。 ビリー・ホリデイが気に入り、レコーディングもしたという曰く付きのナンバー。そして、このアルバム後半の目玉曲でもある。 |
| (2007/02/011) |
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