SOLO (Fine) |
| - 北川 潔 |
|
|
北川 潔 (b) 2000/01/07 |
|
|
|
豪腕、豪指。 鋼の硬派ベーシスト、北川潔のベースソロのアルバムだ。 2000年1月、神戸の老舗ジャズ・クラブ「ビッグ・アップル」で演奏されたライブの模様が収録されている。 なにが良いかというと、 まずは、お馴染みのスタンダードが目白押しだということ。 《あなたと夜と音楽と》 《マイ・ファニー・バレンタイン》 《ポルカ・ドッツ・アンド・ムーン・ビームス》 《朝日のように爽やかに》 《リズマニング》 《クール・ストラッティン》 《イン・ア・センチメンタル・ムード》 など、ジャズファンならば、誰もが知っている曲を、ベース一本でじっくり聴かせてくれるところがよい。 私もベースを弾くので、デイブ・ホランドや、ロン・カーターや、吉沢元治、池田芳夫のソロベースのアルバムは何枚か持っているのだが、ほとんどの演奏がベーシストのオリジナルだったり、終始即興だったりなので、全曲、ベース一本でスタンダードだという点が、興味深い。 「鋼鉄の指」と形容すれば良いのだろうか、北川潔のベースの音色が、固くて、強靱だ。 「ゴリッ!」とした感じが、骨太で、男っぽい。 そのような音色で、一音一音を着実に踏みしめるように弾いているので、聴いていても中々手応えのある演奏だ。 しかも、飽きない。 きちんとベース一本で聴かせるだけの力量がある。 気持をグっと押さえて、淡々と弾いている箇所と、時折狂ったように弦をかきむしったように、過激な音が出てくる、その対比が良い。 たとえば、丁寧に旋律をなぞる《ポルカ・ドッツ・アンド・ムーンビームス》、あるいは、狂おしいまでの高速4ビートで弦を間断なく振動させる《リズマニング》のダイナミックレンジの広さ。 単調だと思われがちなベースソロだが、そこには非常に豊かなダイナミックレンジがあり、決して飽きることがない。中々に味わい深い好盤だ。 思索に耽るにも丁度良い案配の演奏だし、全編ベース一本なので、音のレンジも一定なので夜中に聴いても、家族が起きるということもないし。 ベースを弾く上での「学習耳」として、分析的な聴き方をするも良し、あるいは、ただベースの深い音色は、まるでシングルモルトのスコッチのタフな手ごたえのよう。 年代ものの熟成されたウイスキーを飲むかのように、深く静かに酔うことの出来る演奏なのだ。 |
| (2008/06/03) (加筆修正 2010/01/22) |
|
|
|
|
All Rights Reserved. |