EZZ-THETIC (Prestige) |
| - Lee Konitz & Miled Davis |
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Lee Konitz (as) Miles Davis (tp) Teddy Charles (vib) Billy Bauer (g) Dick Nivison (g) Jimmy Raney (g) Arnold Fishkin (b) Max Roach (ds) Ed Shaugnessy (ds) 1951/03/08,13 1952/12/23 |
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世にマイルス好きは多いが、代表作の1枚『クールの誕生』の評価を手放しに絶賛するマイルス好きに出会ったことはない。 どれも同じ曲に聴こえる、 ギルのアレンジはいいが、マイルスの個性が出ていない などといった消極的な評価が多い。 しかし、私は『クールの誕生』、結構好きだ。 最近、このアルバムをリマスターしたルディ・ヴァンゲルダーも、「『クールの誕生』は大好きなアルバムだ」ということをインタビューで語っており、読んでホッとしたものだ。 私はこのアルバムのどこが好きなのかというと、演奏云々以前に、まずは音色。 独特な色彩感を放つこのアルバムのサウンドが好きなのだ。 それはリー・コニッツの存在が大きい。 彼のアイスのように冷ややかな音色が、まずはアンサンブルの中で際立っているし、鈍い光沢を放つマイルスのトランペットの音色と絶妙にマッチしているのだ。 マイルスとコニッツの音色は、非常に相性が良いと思う。 そんな二人の共演をもっと聴きたいという私にとっては、このアルバムは願ったり叶ったりなのだ。 ただし、すべてのトラックがマイルスとコニッツの共演ではない。 前半はコニッツがリーダーのセクステット、あるいはギター(ビリー・バウアー)とのデュオ。 後半は、ヴァイブのテディ・チャールズがリーダーの録音で、どちらかというと本来のリーダーはテディにもかかわらず、やはりネームバリューの差なのだろうか、コニッツとマイルスの名前が目立つ表記となっている。 要するに、体裁は1枚のアルバムをなしているが、実質は収録曲の少ない2枚のアルバムが1枚に合体したものと考えたほうが早い。 まず、前半。 この時期のマイルスのトランペットの音色、じつは私結構好きなのだ。 密度が濃く、音が重い。 このマイルスのトランペットと、冷ややかな肌触りのコニッツのアルトのコントラストが絶妙なマッチングをみせる。 マイルスの音の存在感も独特だが、やはりこのアルバムのトーンはまぎれもなくコニッツのものだ。 ここでのマイルスは、いちサイドマンに徹している。 たとえば、コニッツのアルトとバウアーのギターによるデュオ《インディアン・サマー》は、『サブコンシャス・リー』にも通ずるトーンだ。 この“気分”が前半の演奏に通底しており、これはまぎれもなくコニッツの世界だ。 マイルスの存在は、コニッツ独特の世界観の補強装置ともいえる。 もっとも、補強装置といえども、コニッツのムードが濃厚に漂う中、マイルスは、立派な仕事をしており、音楽のコンセプトを熟知した優秀なサイドマンして的確な仕事をしている。 とくに、メランコリックな味わいのある《イエスタデイズ》。まるで二人は双生児のごとくではないか。 いや、マイルスは、コニッツのトーンに、影のようにピッタリと寄り添い、陰影をつけているのだ。 絵画に喩えると、二人とも色に主張と特徴のある絵の具ながら、混ぜ合わすと、さらに深みのある独特の色彩が生まれるという好例。 マイルス、もっとコニッツと共演すればよかったのに。 タイトル曲の《エズセティック》は、作曲者のジョージ・ラッセルの同タイトルのリーダー作の演奏と比べると、ずいぶん大人しく聴こえる。 しかし、ドルフィーたちが飛翔しまくる本家の演奏と比較すれば、確かに迫力やスピード感は劣るものの、不思議でメランコリックな味わいが感じられる。 マックス・ローチのブラシの音も流れるようなメロディラインの中、くっきりと浮かび上がり、サクサクと気持ちが良い。 さて、後半。 テディ・チャールズの、軽くて薄っぺらで、残響音が多めのヴァイブの音色が、まずは耳を引きつける。 ペダルを踏み過ぎているんではないかと思うほど響き渡る残響音が、妙に心地よい。 しかも、音が軽いので、イヤミに聴こえない。 どことなく涼やかな味わいがあるので、前半のコニッツがリーダーの演奏と違和感なく繋がっている。 音色は心地よいが、不協和音を多用したり、時としてユニークというかヘンな旋律をを叩き出したりと、なかなかに実験的なアプローチを重ねるチャールズ。 とくに、ラストの《チュニジアの夜》のブレイクが特に良い。 チャーリー・パーカーが《チュニジアの夜》のブレイクで素晴らしい演奏をしたテイクは《フェイマス・アルト・ブレイク》と呼ばれ、パーカーファンに聴きつがれているが、これをもじって、《フェイマス・ヴァイブ・ブレイク》と名づけても遜色ないほど、テディ・チャールズは、《チュニジア》のブレイクで涼しげな音を撒き散らかす。 ただ、唐突に終わるラストには腰砕け。 もっと聴きたいのに、もっとキチンと終わって欲しいのに、なんでこんなに「ストン!」と終わるわけ? と多少肩透かしを食らった感じがする。 しかも、この「ストン!」で、アルバムの演奏、すべて終了。 そんなのアリ? (笑) |
| (2007/02/20) |
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