《バイバイ・ブラックバード》、 《マイ・フェイバリット・シングズ》、 《カーニバルの朝》を始めとした有名曲が、これ以上は無いというぐらい、ゆっくりとしたテンポで奏でられてゆく。 いや、テンポがどうのこうのという世界ではもはや無い。 彼はメロディをピアノという道具を使って、時間の中に溶かし込んでいるのだ。 一音一音を耳で捉えるたびに、恐ろしく悠久な時間感覚を味わうことが出来る。
まさに、ホットな演奏が繰り広げられた後のライブハウスの静寂、アフター・アワーズにひっそりと耳を傾けたくなるような深いピアノだ。 まるで、底無しの夜の闇をさらに深化させてゆくように。 このピアノを夜に聴くと、本当に朝がやって来るのだろうか? この深遠な夜は永遠に続くんじゃないか?とすら思ってしまう。
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