MILT JACKSON QUARTET (Prestige) |
| - Milt Jackson |
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Milt Jackson (vib) Horace Silver (p) Percy Heath (b) Connie Kay (ds) 1955/05/20 |
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パーソネルを見ると、ピアノのホレス・シルヴァー以外は、モダン・ジャズ・カルテット(MJQ)のメンバーだ。 つまり、ピアノがジョン・ルイスからホレス・シルヴァーに変わっただけのメンバー構成。 それだけでも、雰囲気がガラリと変わる。 当たり前だが、MJQのサウンドではない。 「ホレス・シルヴァー効果」によって、雰囲気が変わったというよりは、演奏における方向性・コンセプトの違いが、サウンドテイストをここまで変えたのだと解釈すべきだろう。 すなわち、グループによる緻密な構成美と、あくまで4人のアンサンブルを探求したMJQの演奏に対して、このアルバムの主役はミルト・ジャクソン。 「ワンホーン・カルテットのヴァイブ・バージョン」というのもヘンな言い方だが、ホレス・シルヴァー以下のリズム隊は、あくまでミルトの「歌」のサポート役に徹し、主役のミルトは、MJQほどの縛りの無い中、本来の持ち味を発揮させているのだと思う。 彼本来の持ち味とは、ブルージーでソウルフルな感覚だ。 「ミスター・ソウル」と呼ばれているほど、彼のグルーヴィーなフィーリングは極上のものだ。 決して音数は多くないものの、彼が叩き出すシンプルなフレーズの中の音と音の微妙な「間」と「タメ」は、とても心地が良いものだ。 そして、ヴァイブ特有の涼やかな音色。 このアルバムに限ったことではないのだが、私はミルト・ジャクソンのヴァイブを聴くたびに、脳の中がくすぐったくなるような快感を覚える。 とくに、速めのテンポよりも、ゆったり目のテンポの演奏のほうが、「間」の心地よさが強調されて、気持ちが良い気がする。 派手な演奏は無い。 ホレスのバッキングも、自己のグループとは違い、抑制を利かせたバッキングに徹している。 だから、より一層、ミルトのヴァイブが引き立つ。 ミルトのヴァイブは、押さえ気味のプレイで、リラックスしながら、淡々と演奏をしている感じだ。 しかし、この淡々とした演奏の中から、じわじわと滲み出てくる、どうしても拭うことの出来ない「黒っぽいフィーリング」こそが、「ミルト的快感」と言えよう。 コロコロと転がるような音。 余韻を引く心地よい金属音。 微妙に粘るフレーズ。 落ち着いた演奏が生み出す、深く深く沈んでゆくようなクールな感覚。 これら、「ミルト的快楽」を存分に味わえるアルバムだ。 抑制の効いた演奏ゆえか、このアルバム、かなりボリュームを上げても、まったく耳障りには感じない。 また、BGMがわりにボリュームを落としても、音の輪郭がしっかりと、こちらに伝わってくる。 手放せないアルバムの一枚だ。 |
| (2002/06/14) |
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