HEAVY SOUNDS (Impulse) |
| - Elvin Jones & Richard Davis |
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Elvin Jones (ds,g) Richard Davis (b) Frank Foster (ts) Billy Greene (p) 1968年 |
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ジョン・コルトレーンの良き相棒、コルトレーン・サウンドを長きにわたり支えた功労者エルヴィン・ジョーンズ。 しかし、彼は1966年にコルトレーンのグループから脱退してしまう。その理由やイキサツに関しては諸説分かれるところだが、ここでは割愛。 コルトレーンと袂を分かったエルヴィンが2年後の68年にレコーディングしたのが、コレ。『へヴィ・サウンズ』だ。 エルヴィン一人ではなくベースのリチャード・デイヴィスとの双頭名義となっている。 なるほど、たしかに、録音のバランスもベースが前面に出ておりますなぁ。 リチャード・デイヴィスの固く締まった重い低音と、ソロになると一転して、ロン・カーターを彷彿とさせる音程の悪さは健在。 ま、良くも悪くも、これがリチャード・デイヴィスの持ち味なんだよねぇ。 好き嫌いの分かれるところだけれども。 エルヴィンのほうは、というと、これがもう、汗の飛び散るドラミングが1曲目から全開だ。 R&B調の8ビートの《ローチィ・リタ》は、ここまで叩くか!というほどの、ドラミング。 ドカドカ・バッシャーン!! 比較的穏やかなミドルテンポの8ビートで、ここまで派手に盛り上げられる人は、エルヴィンだけなものでしょう。 ブラシの一本一本がまるで生命体のように弾力としなやかさを兼ね備えたブラッシュ・ワークに定評のあるエルヴィンだが、2曲目の《シャイニー・ストッキングス》でも好調。さらに、この曲は、『プッティン・イット・トゥゲザー』を彷彿とさせるピアノ・レストリオという編成が、前曲とのメリハリとなって良い。 リチャード・デイヴィスのベースソロも、なかなか聴き惚れる内容だが、それ以上に、ベースソロのバッキングといえども、容赦せずにズタバシャと叩きまくるエルヴィンの容赦のなさには頭が下がる。 3曲目は、一転してピアノが主役の《M.E.》。 何の変哲もない、というか、なんの特徴も印象も残りにくい曲。ピアニストとして参加しているビリー・グリーンの曲だが、ワンホーン・カルテットで演奏するから、印象に残りにくい演奏になってしまったのかもね。 せめて、トランペットなど、管楽器をもう1本プラスすべきだった。2管で、テーマの彩りを与えれば、もっと良い演奏になっただろうに…! と惜しい曲ではある。 それにしても、幽霊が出てきそうな《サマー・タイム》のアルコ・ベースはなんじゃ!(笑) オバケ屋敷っぷりを、さらにマレットを使って盛り上げるエルヴィンもエルヴィンだが、怪しいベーシスト、リチャード・デイヴィスが潜在的に持つ怪しさをこれほどまでにクローズアップして演奏も珍しい。 テーマはアルコ演奏だが、終了後はただちにピチカートに変化する。 怪しさっぷりは変わらない。 硬くて、ときにふにゃふにゃ。これが、リチャード・デイヴィスのベースに抱く私の印象だ。硬さ8割、ふにゃり具合が2割というちょうど良い按配で、演奏に適度な緊張と弛緩をもたらしている。 構成、演出としては面白い《サマータイム》ではあるが、ま、この手の演奏は1年に1度聴くか聴かない程度の接し方で良いだろう。 とにもかくにも、面妖なドラムとベースのデュオだ。 しかめっ面をしながら、その実、心のなかではうきうきと楽しく演奏しているんじゃないかと穿ってしまう演奏ではある。 フリージャズごっこをやったことがある人には分かると思うけれども。 《エルヴィンズ・ギター・ブルース》。 その名のとおり、ギターを弾くエルヴィン。なかなか、味のあるアコースティックギターだ。このギターのイントロをブルースファンに「ライトニン・ホプキンスのスローブルースだよーん」と言って聴かせたら、もしかしたら信じてしまうかもしれない(なわけないか)。 気がつくと、いつのまにか、ギターをやめ、いつのまにか、ブラシで、バシバシとスネアを連打するエルヴィン。気がつくと、いつの間にやら曲も終わっていて、ラストの《ヒアズ・ザット・レイニー・デイ》に突入。 しみじみと歌いあげるテナーのフランク・フォスターではありますが、いかんせん、音色もフレージングも悪くはないのだが、凡庸。 こちらをハッとさせるだけの強いモノを持っていないのが残念。 同じことは、ピアノのビリー・グリーンのプレイにも言える。 見事なまでに印象に残らない。 そう、このアルバムの弱点は、テナーとピアノの力量不足なんだ。 もちろん、強力なドラマーとベーシストゆえ、霞んでしまうのは仕方のないことかもしれないが、彼らを押しのけて、前にズンズンと出てゆくだけのパワーと気迫が希薄なんだよね、二人とも。 だから、ギターをイントロに弾いたり、ベースとドラムでデュオをやったりと、あれこれと演奏スタイルにも変化をつけているんだろうけれども、それが却って“散漫さ”を招く結果となってしまっているのが残念。 エルヴィンの代表作とされているアルバムだが、1枚目にはおススメしない。 1枚目はブルーノートの『プッティン・イット・トゥゲザー』あたりをどうぞ。 あるいは、コルトレーンと演っているエルヴィンのほうが、エルヴィン入門としては良いのかもね。『インプレッション』とか。 とにもかくにも、色々なことをちょこちょことやっています、なエルヴィンを楽しむには良いが、もっと様々なエルヴィンを聴いてから、このアルバムにたどり着いてくれ! |
| (2006/07/10) |
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