AT PIED PIPER (R.G.B.) |
| - Ike Isaacs |
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Ike Isaacs (b) Jack Wilson (p) Jimmy Smith (ds) 1967 at freddie Jett's Pied Piper. Los Angels,CA |
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アイク・アイザックスの『アット・パイド・パイパー』は、四谷にあるジャズ喫茶「いーぐる」で何度かかかっているところに居合わせたので、妙に印象に残っていたアルバムだ。 何が印象に残ったのかというと、まずは、演奏を綺麗に盛り上げてゆくジャック・ウイルソンのピアノ。 そして、もう一つは、ジャケットの写真だ。 アイク・アイザックスが、路上に座っている黒人と東洋人の子供に向かって笑顔でベースを弾いているジャケット写真。 この写真自体は、なんとなくほのぼのと良い感じなのだが、気になるのは、ジャケットの右上に、心霊写真よろしく、カバンを下げた髪の黒いオバサンとおぼしき女性の全身がピンボケで写っていること。 このオバサンのピンボケ具合と、漂ってくるシュールなテイストは、「ゴールデン・イアリング」の名演で有名な、レイ・ブライアントの『レイ・ブライアント・トリオ』のジャケットを彷彿させる。 『レイ・ブライアント・トリオ』のジャケットには、くわえ煙草のレイ・ブライアントの右後方に、妙に顔が小さくて細長い、コートをまとったピンボケの人物がベンチに腰掛けているのだ。 このピンボケ具合と、帽子を被った顔の細さ具合は、ムンクの「叫び」の後方に立っている細長い人物と、同じくムンクの「不安」という絵の中の一人、シルク・ハットを被った紳士を足して二で割ったようなシルエットと雰囲気だ。 だから、『レイ・ブライアント・トリオ』は、私にとって、妙に気になるジャケットのアルバムになっているのだが、アイク・アイザックスのアルバムのジャケットに写っているピンボケの人物にも、それと同じ匂いを感じてしまった。 「いーぐる」でかかっていた『アット・パイド・パイパー』のレコード・ジャケットは、たしか全体的に白っぽいジャケットだった。 ところが、CDで見かけるのは、真っ黄色のジャケットばかり。 どちらの色が本当の色なのかは分からないが、個人的には「いーぐる」で見た白のジャケットの方が好みなので、白いジャケットの『パイド・パイパー』のCDを探していたが、結局見つからなかったので、妥協して真っ黄色なジャケットのCDを買ってしまった。 アイク・アイザックスは、先ほど引き合いに出した『レイ・ブライアント・トリオ』にも参加しているベーシストだ。 このアルバムでの彼のベースは、さほど印象に残るものでもなかったが、『パイド・パイパー』では、さすがにリーダーアルバムだけあってイキの良いベースを披露している。 日本盤のライナーによると、この人、パーカーやエラ(・フィッツジェラルド)、それにソニー・スティットら、大物ジャズメンとの共演歴があり、カーメン・マクレエとの結婚歴もあるというすごいキャリアの持ち主だ(カーメンとは2年で離婚したそうだが)。 太いトーンで、堅実なベースを弾く人だと思う。 驚異的なテクニックの持ち主というわけではないが、バッキングのノリは良い。 そんな彼と共演しているピアニストは、ジャック・ウイルソン。 作家の村上春樹も好きなピアニストらしいが、ピリッとメリハリの効いた趣味の良いピアノを弾く人だ。 特に、ブルースが得意なように感じる。彼のブルースは、演奏の盛り上げや、流れの運び方がとてもうまいのだ。 “ブライトで、ハッピーなフィーリングに溢れるレッド・ガーランド風のピアノ”と一言で括ってしまうと、いささか強引だろうか? このアルバムで、個人的なベストはコルトレーンの名曲《インプレッションズ》。 ジャック・ウイルソンは、ブルースだけではなく、モード曲でも溌剌とした演奏を展開している。 中間のアイザックスのランニング・ベースのソロも良い。 肉厚な音で、高速テンポを乱れることなく刻む彼のランニング・ベースは、まさに職人の技。 ベース・ソロにピアノが被さった直後に、大きな拍手が沸き起こるが、これもライブ盤ならではの醍醐味だ。 反対に、少し残念なのが《ウォーク・オン・バイ》。 言わずとしれたバカラック作曲の名曲だ。 曲も良いし、ちょっと“泣き”の入った演奏もなかなかだと思う。 しかし、演奏のボルテージが上がってきて、「いよいよこれから!」なところで、客の歓声がミックスされて、フェードアウトしてしまう。 「なんだ、もっと聴きたいところなのに」と感じる、痒いところでフェイドアウトしてしまうのが残念。 そういえば、私がよく覗く、ジャズのレビューのページにもこのアルバムが紹介されていた。 駄洒落やオヤジギャグを交えて、アルバムの解説がされる楽しいページだが、“パイド・パイパー”のことを“ワイド・ハイター”と書いてあり、これには大爆笑してしまった。 以来、“ワイド・ハイター”という言葉の響きが妙に頭にこびりついてしまい、今では私にとっては『パイド・パイパー』といえば、“ワイド・ハイターのアルバム”となっている。 |
| (2002/07/18) |
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